新庁舎の竣工式典 設計、施工業者たたえ感謝状(結城市)

[2020/11/10 茨城版]
 結城市の新たな庁舎が完成し、8日に新庁舎1階多目的スペースで竣工式典が催された。結城市職員をはじめ市議、工事関係者、近隣市町の首長など、約100人が出席して完成を祝った。式典のあとは、出席者や報道関係者を対象に新庁舎見学会を開催。午後からは供用開始に先立って市民見学会が開かれ、新型コロナウイルス感染症へ配慮しながら約300人の市民が一足先に新庁舎を見てまわった。新庁舎での業務開始は24日からで、市の新しいシンボルとして市民に愛される庁舎を目指していく。

 竣工式典のあいさつで小林市長は、「新庁舎の建設は東日本大震災が契機となり、12年7月に庁舎建設検討協議会を設置して整備の検討を開始した。新型コロナウイルス感染症の影響で工期が2カ月ほど遅れたが、多くの方々の尽力で竣工することができた」と関係者に感謝した。

 続けて「新庁舎の完成により、市内に分散していた行政機能が1カ所に集約され、市民へのサービスや利便性が向上する。また、伝統や文化を大切にしつつ、輝かしい未来に向けて発展する新しい結城市のシンボルとなることを確信している」と期待し、職員には「快適な環境で職務を行えることを感謝して、市民サービスに邁進してほしい」と話した。

 来賓は、大木作次市議会議長や大井川和彦県知事、森田悦男県議会議長、中村喜四郎衆院議員、永岡桂子衆院議員らを迎えた。大木市議会議長は「新庁舎の建設は長年の懸案だったが、ここにようやく実現できた。隣接する文化センターアクロスとあわせて、結城市の新しい顔として、安心・安全の拠点機能を十分に発揮していきたい」と意気込み、「小林市長をはじめ、職員や我々市議会議員が一丸となって、新庁舎へ新しい魂を吹き込んでいくことが使命だと思っている」と祝辞を述べた。

 大井川知事は、結城紬をイメージしたデザインに触れ「結城らしい素晴らしいデザインだ」と感嘆し、「結城市は県のなかでもユニークなまちだと思う。古い町並みを活かしながら、結城紬を取り入れたイベントを多く行うエネルギーもある。ぜひ結城市が県の魅力をけん引してほしい」と期待した。森田県議会議長は「5階の眺望ロビーからの眺めをはじめ、1階に集約した窓口部署は間仕切りのあるローカウンターでプライバシーの配慮がすばらしい」などと新庁舎を高く評価した。

 このあと小林市長から、設計・監理を担当した久米設計の上田克行取締役執行役員設計本部本部長と、施工を担当した安藤・間の加藤一郎常務執行役員関東支店支店長および小倉工務店の小倉健太郎代表取締役社長へ感謝状を贈呈した。代表して久米設計の上田本部長が謝辞を述べ、「工事を無事故・無災害で行うことができて良かった」と報告するとともに「新庁舎は結城市らしさを体現し、市民に末永く親しまれることを意識した」と説明した。

 新庁舎の建設は、既存庁舎の老朽化をはじめ耐震性の不足、施設の分散化、防災拠点機能の不足などの問題点を解消するために計画し、市民文化センター「アクロス」の駐車場として使用していた中央町2-3の敷地面積は1万5929平方mに移転して建て替えた。本庁舎はS造5階建て延べ1万1054平方mの規模で、免震構造を採用。庁舎東側の車庫棟はS造2階建て延べ685平方mで、設計・監理は久米設計、施工は安藤ハザマ・小倉工務店JVが担当した。

 新庁舎は木材をふんだんに使い、1階に窓口業務を集約するとともにキッズスペース、待合エリアなどを設け、来庁者のメインエントランスは建物の正面となる西側に設けた。2・3階は執務空間、4階は市長室と災害対策本部室、会議室など、5階は議場や議会諸室を配置。総事業費は約55億円で、このうち本体工事費には約47億円を投じた。

 建物は、屋上トップライトからの吹き抜けや1階の全面ガラス張りなどで自然光を取り込み各階を照らすとともに、白色を基調とした天井や壁と相まってオープンで見渡しの良い空間となっている。外観はシンプルななかにも優雅な雰囲気を醸し出し、1階の大屋根は結城紬の反物を干して糊抜きする場面をイメージして柔らかく美しい曲線を描くなど、特徴的なデザインとなっている。

 新庁舎は5つの基本方針に基づき、バリアフリー対応や自然エネルギーの活用をはじめ、特に防災面に重点を置いて非常用発電装置を採用。災害発生時には防災拠点としての機能を有し、行政業務の継続が可能な施設として整備を進めてきた。今後は新庁舎を中心に、市民文化センターアクロスや隣接するけやき公園と一体的利用を行い、市民の交流の場とする。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.