既存道路を構想路線に 茨城縦貫幹線道路 道祖神峠トンネルなど要望(つくば市・大子町間促進協)

[2020/11/19 茨城版]
 つくば市・大子町間幹線道路整備促進協議会(会長・山口伸樹笠間市長)はこのほど、県土木部および県政策企画部に「つくば市・大子町間幹線道路整備促進に関する要望書」を提出した。これに対し土木部は、構成する道路の改良事業を引き続き推進していくとともに、道祖神峠トンネルなど未事業化区間については事業手法など検討していく考えを示し、構成市町村にも地域開発といった沿線全体の構想の具体化を図るよう求めた。政策企画部は、既存道路を茨城縦貫幹線道路に位置付けることも含めて、この路線の最も効率的な整備手法を土木部とともに検討していくと答えた。

 つくば市から大子町まで結ぶ幹線道路の整備はこれまで、つくば市・土浦市・石岡市・笠間市で構成する「つくば市・笠間市間道路整備促進協議会」と、笠間市・城里町・常陸大宮市・大子町で構成する「笠間大子線改修期成同盟会」でそれぞれ要望を重ねてきた。本年度からはこの2団体を統合して新たに協議会を設立し、今回初めて要望活動を行った。

 この協議会が要望する幹線道路は既存の4つの県道で構成され、5市2町を南北に結び、総延長は約100kmに及ぶ。つくば経済圏と県央・県北地域の広域的交流促進をはじめ、県南から県北までの観光拠点を結ぶ交通ネットワークの構築、さらに災害時に常磐道や国道6号を補完して緊急避難や物資輸送の役割を期待できる、重要な幹線道路としている。

 県土木部への要望に際しては、山口会長から「新たな県総合計画の中で茨城縦貫幹線道路として位置付けられた構想路線を既存の県道でつないだ案を示したが、各道路それぞれに課題があり、ご対応をお願いする」とあいさつした。

 引き続き、構成市町村から要望内容を説明。土浦市は県道小野土浦線について、下坂田バイパスの新設改良と大畑地区の現道拡幅を要望し、「本年度は用地買収に取り組んでいいただいているが、早急な整備をお願いしたい」と要望した。

 石岡市と笠間市は、主要地方道笠間つくば線の道祖神峠のトンネル化について早期事業化を要望。石岡市は「フラワーパークまで来た観光客がさらに県北方面まで周遊できるようにするためにも大切な箇所」と話し、笠間市も「合併特例債に代わる良い手法があれば」と期待した。

 城里町は、主要地方道笠間緒川線の徳蔵・小勝地区および塩子地区の拡幅改良を要望。「未整備区間が一番長く、ここが整備されないとボトルネックとなって道路が機能しない」と訴えた。

 常陸大宮市は主要地方道大子美和線のうち高部地内の拡幅改良を要望し、「大子町との行政境付近は着工したが、屈曲し見通しの悪い区間が多くあるため全線の整備をお願いしたい」と話した。

 大子町も大子美和線の常陸大宮市と隣接する部分の改良を求めるとともに、大沢地区の現道拡幅を取り上げて「那珂ICから大子町への迂回路になるが、ここを広げると観光誘客の面でも有効」と説明した。

 これに対し県土木部からは、事業の取り組み状況を説明。土浦土木事務所は県道小野土浦線の下坂田バイパスについて「水田の部分380mを優先区間として整備しており、本年9月にパイプライン移設工事や盛土工事を発注した。大畑地区は用地取得に取り組んでおり、まとまった箇所から工事に入っていく。本年度は延長500mの歩道整備を中心に、工事を10月に発注している」と報告した。石岡市と笠間市が要望する道祖神峠トンネルは、交通需要の調査や多額の事業費の検討を進めていくとともに、「事業の実現には地域振興に向けた地元の力強い支援が必要」との考えを示した。

 水戸土木事務所は、笠間緒川線について「現在、城里町徳蔵地内の県道鶏足山線から小勝の町道3号線までの2.9kmを事業区間とし、これまでに2.5kmが完成した。本年度は240mの道路改良舗装工事を実施し、残る町道3号線交差点付近の250mも早期の完成を目指す」と説明した。続けて「その北側の小勝地内は2.5kmのうち600mが供用済み。さらに塩子地区も3.2kmあり、この未事業化区間については事業中の優先区間の進捗を見ながら事業化を検討する」と述べた。

 常陸大宮土木事務所は、大子美和線の常陸大宮市高部地内の状況について「大子町境のタバッコ峠から南側約600m区間で事業を進めており、そのうち北側の140m区間は昨年度末に道路改良舗装工事に着手して、本年度内の完了を目指している。残る南側区間は保安林に指定されていることから、速やかに工事に着手できるよう、保安林解除に向けて現在用地測量や森林管理所との協議を進めている」と報告した。

 同じく大子美和線の大沢地内を担当する大子工務所は「幅員が狭くカーブが多く、近くには上小川小学校があるが歩道も無いため、1997年度から事業を進めている。要望箇所のうち、東側から880mはこれまでに600mを供用しており、残る280m区間は用地交渉を進めている。また西側の未改良区間890mは、昨年度から測量や道路詳細設計に着手しており、来年度以降に用地測量や用地買収、道路整備を進めていきたい」と説明した。

 最後に伊藤高部長は、「現在事業中の箇所は予算を確保して、集中的に投資して事業を進めていく」として地元市町村にも用地などへの協力を求めた。また未事業化区間は「大きな事業なので、道路だけでなく周辺の地域開発、地域振興を合わせた大きな構想として具体化を図っていきたい。どのような地域づくりをするかがまずあって、それを手助けするのが道路だと思う」と話した。

 次に政策企画部への要望では、山口会長が「県の計画に位置づけたということは、それだけ県にとって重要な道路だろうと認識している。まずは既存の道路をつなげたものを明快に茨城縦貫幹線道路として位置付けていただくことで、それぞれの道路の課題に対する土木部の取り組みも進んでいくのでは」と話した。

 これに対し、玉川明部長は「我々も重要な道路と認識している。既存道路の整備を要望してきたことや、そもそもこれを縦貫道路として位置付けることで新たな展開も考えられるのではというお話もあった。そういったことも含めてどのような手法でこれを整備していけばよいのか、ご提案も含めて土木部と最も効率の良い手法を検討していきたい」と返答した。

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