米化粧品大手エスティローダー 下妻市に生産拠点 来年1月にも着工の予定(県立地推進課)

[2020/12/10 茨城版]
 米化粧品大手エスティローダーカンパニーズの子会社で、アジア太平洋地域の生産・物流を統括するEL・APSC(東京都千代田区)はこのほど、下妻市「しもつま鯨工業団地」の5万2446平方mを取得した。ここに新たな生産拠点およびEL・APSCの本社機能を建設する計画で、21年1月にも着工して、22年度後半の操業開始を目指す。8日には、EL・APSCのマシュー・グラウドン代表取締役が県庁を訪れ、大井川和彦県知事に生産拠点と本社機能の立地決定を報告した。

 エスティローダーカンパニーズは、高品質のスキンケア、メークアップ、フレグランス、ヘアケア製品を製造・販売する、世界有数の企業。あわせて26ものブランドを抱え、同社の製品は世界約150の国と地域で販売されてる。

 その子会社のEL・APSCは今回、下妻市にアジア太平洋地域で初めてとなる新たな生産拠点を建設するとともに、東京都にある本社機能を移転する。この生産拠点は北米や欧州に次いで11カ所目となり、ここでは主に高品質の高級スキンケア製品を生産する。新たな先端技術や先進的エンジニアリング設備を導入する計画で、製造量としては世界最大規模となる見込みだ。

 アジア太平洋地域は高級スキンケア製品を好む消費者が多く、同社にとって最も成長著しい市場となっていることから、消費者により近い日本に生産拠点を整備して、高品質な商品の牛産と流通能力を強化する。また、近く着工する中国イノベーションセンターと連携し、アジア圏の消費者ニーズに見合った地域的適正の高い製品を素早く届けることが可能となる。

 本県への立地の報告を受け、大井川知事は「本県に素晴らしい投資をしていただけることに感謝する。県としても人材の確保、関連企業との連携など、様々なサポートをしていきたい。末永くパートナーとしてよい関係を続けていきたい」と話した。

 これに対し、グラウドン代表取締役は「長年アジアに生産拠点を持ちたいと思っていたが、製造の水準の高さ、品質管理の高さ、アジアの他の国が日本製を高く評価している点から日本を選んだ。最新技術を導入して最も高いレベルの工場になる」と応じた。

 立地するしもつま鯨工業団地は、下妻市鯨に所在し下妻市開発公社が分譲する。総面積は31.2ha、うち工場用地面積は24.8haで、圏央道常総ICから10分、鉄道もつくばエクスプレスで都内まで1時間の好アクセスが特徴だ。

 エスティローダーカンパニーズは、本県への立地について、「本社機能の誘致をはじめ企業誘致に力を入れており、各種補助制度のほか行政手続きに係るワンストップサービスなど、様々な支援が受けられる」と期待した。また、下妻市を選んだ理由には「日本法人のELCジャパンがある東京に近いことや、将来の人材確保に重要となる地元大学に隣接していること」を挙げていた。

 今後、EL・APSCは県に「本社機能移転強化促進補助金」を申請する見通し。この補助金はAIやIoT、ロボット、次世代自動車など新たな成長分野の本社や本社機能、研究所などの誘致を図るため創設した制度で、最大50億円と全国でもトップクラスの補助率・補助上限額を設定している。これまでに本社機能移転強化促進補助で13社、本社機能移転促進補助で1社、IT関連企業等賃料補助で2社の計16社の研究開発拠点等の移転計画を認定しており、認められれば同社が17社目となる。

 県立地推進課はEL・APSCの立地決定について「知名度の高い企業の立地で、重要な地元の雇用や地域経済活性化をはじめ、本県の大きなイメージアップにもつながる」と期待している。

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