空調設置に32億円 県立高校の特別教室と体育館 学校トイレ洋式化を前倒し(県教育庁)

[2020/12/11 茨城版]
 県教育庁は新型コロナウイルスの感染防止対策で、新たに「高等学校特別教室・体育館空調整備」を事業化し、県議会第4回定例会に提出中の補正予算案に32億5983万円を計上した。また、同じく感染防止対策の一環で「みんなに優しい学校施設づくり推進事業」を拡充し、補正案に23億1462万円を追加している。「高等学校特別教室・体育館空調整備事業」は特別教室87校320室と体育館95校95館にエアコンを設置して22年夏季からの稼働を目指し、「みんなに優しい学校施設づくり推進事業」はトイレ洋式化や多目的トイレ設置の本年度での完了を図る。

 新型コロナウイルス感染収束の見通しが立たない中、感染症と共生していくには3密(密閉、密集、密接)の解消を図る必要がある。また、生徒の健康対策や学習環境改善の観点から、県立高校で夏季に教室を使用する場合の熱中症対策も講じる必要がある。

 このため、教育庁は「高等学校特別教室・体育館空調整備」を事業化し、県立高校の普通教室に加えて特別教室と体育館にも空調設備を整備する。これにより年間を通じて学習環境を整えるほか、換気を高めることでクラスター(集団感染)を予防し、あわせて熱中症も予防する。

 設置の対象は、空調設備が未整備の特別教室のうち一部の特別教室(87校、320室)と、全ての体育館メインアリーナ(95校95館)。一部の特別教室とは、職業教育に関する学びで重点的に使用する教室(製図室、実践室など)、防音のために窓を閉め切る必要がある教室(音楽室)、衛生面で設置が必要な教室(調理室、食品製造室など)、および窓を閉めて授業を行う必要がある教室(美術室、書道室)とする。

 なお県立高校の空調設備の設置状況は、9月1日現在で普通教室が1559室すべてに設置が完了している。特別教室は2781室のうち1108室が設置済みで、設置率39.8%。体育館(メインアリーナ)は95室全室が未設置となる。

 一方、「みんなに優しい学校施設づくり推進事業」では新型コロナウイルス感染症の感染防止対策として、災害時の避難所機能を拡充するため県立学校のトイレ洋式化を加速させる。予算額の内訳は、高等学校分が21億3116万円、特別支援学校分が1億8346万円となっている。

 県立学校は昭和50年代以前に建築した施設が多く、和式トイレの設置率が高いことから、洋式化の要望が増加していた。また、県立学校の多くは災害時の避難所に指定されており、防災機能の強化も求められていた。

 そのため高等学校は19年度から、特別支援学校は18年度からそれぞれ普通教室棟と体育館の既存和式トイレの洋式化や多目的トイレの設置に着手し、高等学校70校と特別支援学校9校を対象にそれぞれ5カ年の年次計画で事業を進めていたが、今回事業費を追加して計画の前倒しを図る。

 これにより、高等学校(中高一貫教育校を含む)は19-23年度の5カ年計画を3年前倒して19-20年度の2カ年計画に、特別支援学校は18-22年度の5カ年計画を2年前倒して18-20年度の3カ年計画に変更。なお、トイレの洋式化は各階に1カ所程度の和式トイレも確保することとしし、多目的トイレは各1カ所に設置する。

 県立高校の普通教室棟と体育館のトイレ洋式化率は、高等学校が20年4月で36.0%となっており、21年4月は48.0%、22年4月は84.7%の見込み。中等教育学校と中高一貫教育校は20年4月が51.6%で21年4月が51.6%、22年4月が86.0%、特別支援学校は20年4月が71.2%で21年4月が75.4%、22年4月が82.1%の見込みとなっている。

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