近くプロポを開始 あすなろの郷再編整備 県立施設の設計で(県障害福祉課)

[2021/1/7 茨城版]
 県障害福祉課はあすなろの郷再編整備関連事業で、保護者の不安や要望を踏まえ、再編整備計画の内容を一部変更する。あすなろの郷内の民間施設は県社会福祉事業団の自主事業とするよう改め、これに伴い民間分の新たな施設の整備も中止して既存施設で対応する。これにより本年度に予定していた事業は、一般競争入札を取り止めた民間施設用地の造成設計を中止とし、県立施設の設計事業者プロポーザルについては再開して年度内に手続きを開始する。

 同課は昨年10月以降、民間事業者の公募や民間施設用地の造成設計、県立施設の設計事業者プロポーザル、入所者アセスメントの実施を予定していたが、入所者の保護者からの民間事業者導入に関する強い不安などを受けて一旦停止し、不安や要望の内容などについて聞き取りを行うため9月から10月にかけて「あすなろの郷手をつなぐ育成会」の役員と面談を行っていた。

 その結果、環境の変化に対する不安や処遇に対する不安、金銭的な不安、民間施設への移行を強制させられることへの不安などが示され、県に対して「新しい施設をすべて県の費用で建設し、運営は県社会福祉事業団が行えば、環境の変化はあっても支援員が変わらないので安心できる」などの要望があった。これらを踏まえて県は今回、再編整備関連事業を一部変更し、保護者の理解を得ながら事業を進めていくこととした。

 従来の再編整備計画では、新たな施設の整備方針について県と民間とで役割分担し、あすなろの郷内の生活訓練などを行う施設やあすなろの郷外の障害者支援施設に民間活力を導入する一方、民間で対応が困難な人を支援する施設とあすなろの郷病院は県が対応する方針としていた。

 県立施設のセーフティネット棟は定員は200人で計画し、民間事業者では対応困難な強度行動障害者や医療的ケアが必要な人など重度の障害者を受け入れる。同じく県立のあすなろの郷病院および医療型障害児入所施設・療養介護事業所(ばら寮)はリニューアルして、重症心身障害児・者を対象に定員は入所40人、短期入所および入院10人とする。

 一方、民間施設は1事業者があすなろの郷内で生活訓練などを行う施設を定員130人で設置し、施設の新設および既存施設を活用して24~26年度の開設を計画。また、あすなろの郷外の障害者支援施設は民間事業者3者程度が担い、1施設あたりの定員40人程度(合計120人程度)として22年度の開設を見込んでいた。

 今回の見直しでは、あすなろの郷内の民間施設についても県社会福祉事業団が一民間事業者として施設を運営する自主事業とする。定員も当初時点は200人から開始して、保護者の理解を得ながら郷外の民間事業者にへ移行させながら最終的に130人にする。施設は新設せず、既存施設の新棟や旧棟を活用する。

 あすなろの郷外の民間事業者は事業者数を未定とし、定員は当初50人から開始して郷内の施設から移行させ、最終的に120人に拡大する。なお、郷内の県立施設については変更がなく、一部変更に伴う整備内容やスケジュールなどの詳細は今後検討する。

 県は本年度、民間事業者の公募(予算額100万円)、民間施設用地の造成設計(同7100万円)、県立施設の設計事業者プロポーザル(同200万円)、入所者アセスメント(同1500万円)を実施する予定だったが一旦停止していた。今回の一部変更により、県立施設の設計事業者プロポーザルと入所者アセスメント(障害状況の確認)はこのあと再開して、民間事業者の公募は来年度以降に先送りする。また、民間施設用地の造成設計は不要となったことから中止する。

 県立あすなろの郷は、水戸市杉崎町の敷地面積66万5451平方mに障害者支援施設や医療型障害児入所施設・療養介護事業所など延べ2万9745平方mの建物を設置し、本県の知的障害者福祉の中核施設の役割を担っている。定員は障害者支援施設462人と医療型障害児入所施設・療養介護事業所40人で、県社会福祉事業団が指定管理者となっている。

 近年は利用者の重度化・高齢化に加え、多くの入所待機者への対応、施設の老朽化など様々な課題を抱えていた。これに対応するため施設の建て替えを検討していたが、民間活力の導入に向けて再検討し、新たな整備計画を取りまとめていた。

 整備計画のスケジュールによると、県立施設については21年度に基本設計、22年度に実施設計を策定し、23年度から建設工事を開始して24年度にも開設することとし、民間施設も22年度に郷外施設(新設)、24年度に郷内施設(新設)、26年度に郷内施設(新棟活用)の開所を予定していた。計画の見直しで改めて検討することとなったが、県障害福祉課は県立施設について24年度開設の予定から大きく遅れることのないよう、このあと選定する設計事業者と協議していく考えだ。

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