神栖市で河口部浚渫 事業概要 防災拠点整備を推進(利根川下流)

[2021/5/11 茨城版]
 国土交通省利根川下流河川事務所(内堀寿美男所長)は、21年度の事業概要をまとめた。事業費は、66億3300万円で、前年度当初から13.1%のプラスとなった。本県関係では、神栖市を対象とした利根川下流部河道掘削や波崎地区での河口部浚渫工事、利根町の押付地区河川防災ステーション整備事業などを計画している。

 21年度の事業では、前年度に引き続き、▽治水対策の推進(利根川下流部河道掘削、利根川右岸築堤、利根川左岸築堤)▽危機管理対策の推進(押付地区河川防災ステーションの整備)▽美しい自然や良好な景観、自然共生空間の創出(利根川下流自然再生)▽安全で安心できる暮らしを支える導水路の管理(北千葉導水施設管理)▽安全性を持続的に確保するための維持管理(河川維持修繕、河川工作物関連応急対策)──の5項目を設定した。

 事業費内訳では、河川改修費に前年度比41.7%プラスの31億9600万円、河川維持修繕費に同3.3%プラスの17億1800万円、河川工作物関連応急対策事業費に同52.9%マイナスの1億200万円、堰堤維持費に同14%マイナスの14億0800万円、総合水系環境整備事業費に同253.7%プラスの1億9100万円を確保している。

 本県関係の主なものを見ると、神栖市波崎地区や銚子市大橋地区では引き続き利根川下流部河道掘削を進める。この事業は、同地区が利根川河口部の河道流下断面が不足して浸水被害が発生していることから、広範囲にわたり洪水時の水位を低下させるなど、河道流下断面を拡幅して流下能力を向上させるもので09年度から着工した。本年度は、波崎地区などで5万立方m規模の河口部浚渫工事を計画し、第1四半期中に発注する計画だ。

 利根町押付地区では、洪水時に水防活動など拠点となる河川防災ステーションの整備に12年度から着手し、本年度も用地取得などを進める。利根川と小貝川の合流点であるこの地区では、下流側の布川狭窄部による水位のせき上げが著しく、治水上重要な区間となっている。このため、盛土や基盤整備、備蓄機材整備などにより、水害時などの危機管理対応の拠点となる河川防災ステーションを整備し、迅速で的確な水防活動や緊急復旧活動を行う。

 利根川下流部左岸の無堤地区となる神栖市の別所地区や矢田部地区では、堤防整備を行う。洪水による浸水被害の防止を目的としたもので、本年度は石津地区の築堤工事や排水樋管新設工事、仲新田地区の排水樋管新設工事などが計画され、いずれも第2四半期の発注を予定している。

 このほか、多様な生物の生息・生育場を育む湿地・水際環境の保全・再生を図るため、神栖市川尻地区などを対象に利根川下流自然再生事業を進める。同地では近年、外来種セイタカアワダチソウの侵入によるヨシ原の減少や、埋め立などで湿地が減少している状況にある。そこで同事務所は干潟やヨシ原・湿地の保全・再生を実施し、特徴的な自然環境の継承を図る。本年度は、川尻地区の干潟再生や、ヨシ原再生工事を推進するほか、整備を終えた千葉県東庄I地区などのモニタリング調査を継続実施する。

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