かみね公園を活性化 新獣舎や交流拠点など整備(日立市)

[2021/5/15 茨城版]
 日立市はこのほど、かみね公園全体の魅力づくりを進めるための具体的な施策をまとめた「(仮称)かみね公園活性化基本計画」の素案を策定し、同案に対する意見の募集を行う。20年3月に策定した基本構想を基に、年間来園者数100万人を実現するための具体的な取り組み方策を取りまとめた。このうち、施設関連としては新獣舎や交流拠点施設の建設などを盛り込んだ。このほか動物園のジャイアントパンダ誘致や、施設整備への民間事業者のノウハウなども活用し、次代に引き継ぐため公園活性化に取り組んでいく。

 かみね公園は、海と市街地が一望できる景観に着目した地元の有志により1948年から整備を開始し、57年に動物園と遊園地が開園した。そのあと、75年には郷土博物館、83年にレジャーランドと市民プール、85年にホリゾンかみねがそれぞれオープンし、2004年には吉田正音楽記念館が開館。16年には、動物園の累計入園者数2000万人を達成している。

 来園者数は、1989年に90万人を達成したが、その後は時代の変化から減少に転じ、近年は年間60万人台で推移している。動物園ではリニューアル事業が進められているが、遊園地などは開園当初の設備も多いため全体的に老朽化が進み、高低差のある各施設の周遊性も課題となっている。昨今のインバウンド需要の高まりや、県が県北振興チャレンジプランとしてかみね動物園へのジャイアントパンダ誘致を進めることなどを受け、20年3月には10年後を見据えた将来の公園づくりのビジョンを明らかにする「かみね公園活性化基本構想」を策定した。

 基本構想では、目指すべき将来像に「だれでもいつでも楽しめる『かみね公園』」を掲げ、若者・子育て世代をメインターゲットとしながら県内外からも来園者を呼び込むことで、年間入園者数の目標を100万人以上に設定した。

 今回まとめている基本計画では、基本方針に、▽観光振興に資する公園づくり▽親しまれ愛される公園づくり▽環境や歴史にふれあえる公園づくり▽人や地域をつなぐ公園づくり──の4項目を設定。再編へのコンセプトには、公園を特徴づける「動物園」を中心に、海と市街地が一望できるという特徴も活かしながら、あらゆる世代が〝時間や世代を超えてZooっと楽しい〟空間となることを目指している。

 施設の再整備に当たっては、利用形態に応じて5つのゾーンにゾーニングして進めていく。

 5つのゾーンのうち、「動物わくわくゾーン」では、動物園を中心に環境や生き物を楽しみながら学ぶことのできるゾーンとして、ジャイアントパンダを誘致し、北西側の未利用地を拡張して新獣舎を整備するほか、既存獣舎や園路などの機能更新により、動物園機能を強化する。動物園のエントランス付近は、幼児など小さな子どもが楽しめる空間として、動物園と遊園地の一体利用の促進や遊園地機能を強化していく。

 自然体感ゾーンでは、桜や季節ごとに違う表情を見せる草木など、豊かな自然を体感するゾーンとして、傾斜地や眺望を活かした園路周辺を桜や花のある歩ける空間とすることにより、自然環境の保全や景観の向上や健康増進を図る。

 交流やすらぎゾーンには、海と市街地が一望できる眺望と、自然や音楽文化による癒しややすらぎの場を活かしつつ、新たに様々な世代が交流できる場を形成するゾーンとする。飲食・物販機能を備えた交流拠点施設を芝生広場と合わせて公園中央部に配置するほか、移動した駐車場の跡地には親水公園の整備を計画する。

 遊びゆったりゾーンでは、地形を活かしたフィールドアスレチックなどの体験型レジャー施設や、高台の体験型宿泊施設、健康長寿を目指した施設内スポーツ施設などを整備し、庭園エリアには、フラワーガーデンなども配置する。おもてなしゾーンでは、適に来園者を迎えるために、駐車場の拡大や園内移動機能などを導入し、公園へのアクセス性や園内移動の利便性を高める。

 このほか、公園へのアクセス向上に向けて、日立中央ICからの新たなアクセス道路整備なども計画するほか、国道6号など主要幹線道路の整備促進、BRTなどの新交通システムの導入などを進める。事業運営については、遊びゆったりゾーンや交流やすらぎゾーンに対し、施設整備や維持管理、運営などPPP/PFIなどの活用による民間事業者の活用も検討していく。

 基本計画の計画期間は概ね10年としているが、それぞれの取り組みを進めるには事業費が高額となり、期間も長期になるため、来園者の安全性を考慮しながら、段階的な整備を進める。短期的(24年まで)には、遊園地のリニューアルや植樹・植栽、フラワーガーデン、立体駐車場などの整備を完了し、中期的(27年まで)には、親水広場や交流拠点施設などを整備する。このほか、新獣舎や獣舎更新、温浴・室内スポーツ施設、フィールドアスレチック・宿泊施設、園内交通の整備・園路拡幅、公共交通ターミナルなどは、長期的視野に立って事業を進めていく方針だ。

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