福田地区に工業団地 事業概要 浄水場改築で基本計画(県企業局)

[2021/5/25 茨城版]

 県企業局の本年度当初予算は、支出の部が水道用水供給事業304億6309万円、工業用水道事業202億7620万円、地域振興事業138億6083万円の合計646億0012万円となり、前年度から120億0417万円増加した。増加の主な要因は、地域振興事業で新たな工業団地や既存工業団地の未造成地の整備を実施するため。本年度はこのほか、引き続き高度浄水処理施設の整備や事業統合による施設整備、管路の耐震化、緊急連絡管の整備に取り組むとともに、鰐川浄水場の浄水機能廃止に係る施設整備計画の策定や那珂川浄水場改築に係る基本計画の策定にも着手する。

 本年度の事業執行方針は、経営の基本である水道水の安定的・継続的供給や時代のニーズに即した事業の実施、および健全経営を目指すことを踏まえ、▽水道事業の経営基盤強化に向けた広域化等の推進▽安定的に工業用水を供給できる事業環境の整備▽デジタル化の推進と新技術の導入▽大規模災害に備えた危機管理対策の強化▽新たな工業団地の整備等による地域振興──の5つの方針を定め、これに沿った事業を重点的に推進する。

 このうち「水道事業の経営基盤強化に向けた広域化等の推進」では、効率的な水供給体制を整備するため、県南広域水道用水供給事業と県西広域水道用水供給事業の統合に係る施設整備を推進する。霞ヶ浦浄水場から新治浄水場への連絡管整備に7億5022万円、利根川浄水場から水海道浄水場への連絡管整備に6億1317万円を予算化し、それぞれ22年度の事業完了を目指す。

 県西広域水道は水道水の需給がひっ迫し、一方で県南広域水道は余剰水が発生しているため、両事業を統合して県南広域水道から県西広域水道への水融通を可能にする。これに伴い新治浄水場は施設能力1日8000立方mの配水専用施設にして、霞ヶ浦浄水場から新治浄水場を経て各市の配水場に送水する。

 また鹿行広域水道用水供給事業も、課題解決に向けて受水団体と研究などを進める。鹿行広域の各事業体の経営改善のための共同研究に167万円を確保したほか、新たに鰐川浄水場の浄水機能廃止に係る施設整備計画を策定するため4000万円を盛り込んだ。

 このほか、市町村の自己水源から県水道用水への転換を促進するため新たに需給契約を締結した市町村の基本料金の一部や、水道普及率を向上するため水道加入促進策を実施する市町村などの使用料の一部を減額する。安定的・効率的な浄水場の運転管理体制の確立では、県企業公社と合併した県開発公社への運転管理業務委託に10億1024万円を予算化する。

 「安定的に工業用水を供給できる事業環境の整備」は、県南西広域工業用水道事業の効率的な水供給体制を整備するため、上水道と同じく新治浄水場の浄水機能廃止に向けた霞ヶ浦浄水場からの管路を整備する。事業期間は20年度から24年度までの5カ年で、本年度は10億8787万円を予算化した。

 運転管理も、県開発公社への運転管理業務委託で4億9165万円を計上するとともに、那珂川浄水場の運転管理業務や保全業務の一体的な民間委託は1億7031万円を予算化。また新規受水企業を対象に、県南西広域工業用水道事業の管路整備費の一部を免除する優遇制度を推進する。

 「デジタル化の推進と新技術の導入」は、デジタル化の推進として新たにVR浄水場の構築と自動検針システム(スマートメーター)導入に係る基本設計にそれぞれ500万円ずつ計上した。高度浄水処理技術を活用した霞ヶ浦浄水場の促進酸化処理施設整備には、16億5048万円を確保。昨年度は「オゾン接触池築造工事」を株木・霞JVに発注しており、このあと機械設備工事や電気設備工事も土木・建築工事の進捗を見ながら発注して、24年度の施設完成を目指す。

 「大規模災害に備えた危機管理対策の強化」は、水道施設の浸水対策に4576万円を確保して藤代配水場と河内配水場で設備の高所化などを実施し、事業完了を図る。また水道施設の停電対策も、関城浄水場の非常用自家発電設備導入に3億4509万円を予算化し、同様に2カ年事業を完了させる。

 安定給水のための水道施設および管路の耐震化は、本年度も水道施設の耐震化に4186万円、管路の耐震化に54億3376万円を確保して計画的に事業を推進する。広域水道事業間のバックアップ体制強化は、水戸浄水場から鹿島浄水場までの緊急連絡管の整備2億7827万円を計上し、23年度の完了に向けて引き続き取り組んでいく。

 老朽化施設の改築・更新は、新たに那珂川浄水場の改築に係る基本計画策定に5000万円、涸沼川浄水場の設備更新に係る実施設計策定に2995万円を予算化。このほか新型コロナウイルス感染症と自然災害の複合災害を想定した訓練の実施や、大規模災害を想定した東京都からの救援隊受け入れや活動支援の訓練なども充実させる。

 「新たな工業団地の整備等による地域振興」は、圏央道沿線地域の新たな工業団地の整備に122億1678万円を盛り込み、つくばみらい市福岡地区土地造成事業に着手する。圏央道周辺地域は産業用地の供給が著しくひっ迫していることから、緊急的な措置として県施行による産業用地開発を推進する。

 新たな工業団地はつくばみらい市福岡ほかの面積約70haで計画し、このうち分譲面積は約55ha。県企業局が土地造成事業を担当し、事業費は約200億円、事業期間は21年度から32年度までとする。21年度は基本・実施設計のほか、用地取得や造成工事などを予定する。

 また既存工業団地の未造成地も、江戸崎工業団地第5号画地の実施設計と造成工事を行って分譲を進めるため、本年度は5億8739万円を計上。このほか立地企業のフォローアップも行い、個別訪問で立地企業のニーズ把握に努めていく。

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