ICTは過去最多 担い手確保工事の実施状況(県検査指導課)

[2021/5/27 茨城版]
 県土木部検査指導課はこのほど、建設業の担い手確保・育成に資する工事について、昨年度の実施状況を明らかにした。対象となるのはICT活用促進工事と完全週休2日制促進工事、快適トイレ普及促進工事で、各工事ごとに実施件数を明示。それによると、ICT活用促進工事は土工と舗装工を合わせて250件の発注を行い116件でICT施工を採用し、過去最多の実施件数となった。完全週休2日制促進工事は205件、快適トイレ普及促進工事は395件で実施し、こちらも過去最多となっている。県検査指導課は建設業の生産性向上と担い手確保の促進に向け、今後も業界団体を意見交換をしつつ、多くの建設業者がICT施工に参入できるよう、環境整備に取り組んでいく考えだ。

 ICT活用工事の実施件数は、19年度は73件であったのに対し、20年度は116件と大幅に増加した。増加の要因は、発注者指定型の対象規模を昨年10月に1万立方mから7000立方mに引き下げたほか、チャレンジいばらきI・II型を通して建設業界にもICT活用が浸透してきたことなどが挙げられる。

 実施率は46%となり、こちらも過去最大となった。なお、直近での国発注の実施率は79%で、都道府県・政令市の実施率は29%となり、都道府県レベルでは平均を大幅に超える実施率を有している。これは本県が全国に先駆けてICTモデル工事に着手したことや、業界団体との意見交換が功を奏した結果だという。

 本県が実施しているICT活用促進工事は土工と舗装工、舗装工(修繕工)の3工種。方式は土工が発注者指定型と受注者希望型、チャレンジいばらきI・II型、舗装工が発注者指定型と受注者希望型、舗装工(修繕工)が受注者希望型を採用している。

 このうち、チャレンジいばらきI・II型は本県独自の方式となる。I型は県内の測量業者や建設コンサルタント業者のICT分野への算入を促すもの。これまでのICT施工では、3次元測量や設計など、データの取り扱いが難しいことから、外注するのが実情であった。そこでI型では、3次元データの扱いについても、県内で可能になることを目的に、県内業者に任せる形式となる。

 一方、II型は建設会社自らが3次元測量と設計を実施する方式。ICT工事のなかで、生産性向上のカギとなる3次元データの扱いに受注者が慣れ、今後のICT施工へスムーズに対応できるようになることが狙いだ。

 本年度のICT施工の内訳をみると、ICT土工は発注者指定型が10件、受注者希望型が63件、チャレンジいばらきI型が5件、チャレンジいばらきII型が29件となった。ICT舗装はすべて受注者希望型となり、9件でICT施工を実施した。

 また、20年度はすべての土木・工事事務所でICT土工を1件以上実施することを達成した。このうち、最も件数が多かったのは土浦土木事務所の25件で、次に鉾田工事事務所の15件と、境工事事務所の15件、竜ケ崎工事事務所の14件と続く結果となった。

 完全週休2日制促進工事の実施件数は、19年度が105件であったのに対し、20年度は205件。また、快適トイレ普及工事も19年度が238件であったのに対し、20年度は395件となり、いずれも過去最大となった。これはモデル工事の試行期間を経て、19年度から対象が大幅に拡大したことが要因となる。また、県建設業協会が実施している公共工事の週休2日に向けた取り組みなども、実施件数の増加を後押しする形となった。

 県検査指導課の担当者によると、県の目標は単にICT活用工事をこなすことではなく、現場の生産性を向上することだという。目標実現のためには、地元業者が三次元データの取扱いに慣れることが求められる。それにより多様な使い方や、現場の状況によって部分的な活用も可能になる。県では今後も国の動向を踏まえたうえで、業界団体と意見交換を行い、ICT施工の浸透や担い手確保の促進に努めていく考えだ。

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