歴史的建物群を復元 偕楽園の魅力向上に着手(県都市整備課)

[2021/6/9 茨城版]
 県都市整備課は、本年度から偕楽園魅力向上等推進事業に取り組むため、当初予算では事業費に1億円を確保した。主な事業として、歴史的建物群の復元調査や偕楽園のアクセス向上に向けた調査を実施していく。いずれの事業も基礎調査を実施し、今後の整備の方向性を決定する基礎資料を作成する。本格的な整備着手は、関係機関と内容を検討したうえで、来年度以降になる見通しだ。

 この事業は偕楽園が日本を代表する観光拠点になることを目的に、公園利用者のニーズを踏まえ、歴史的景観の復元などを行い、更なる魅力向上と誘客促進に取り組むものとなる。

 都市整備課ではこの目的実現に向け、偕楽園魅力向上アクションプランを策定した。同プランによると、偕楽園の課題として、本園では、▽文化的資源、景観的資源を活かす配慮が不足▽もてなす空間としての演出が不足▽ホスピタリティに欠けている▽コンテンツ不足──の4点を指摘。さらに、拡張部では、▽目的地がない▽休むところがない──、アクセスについては、▽移動距離が長い▽線路、道路、河川で分断▽幅員が狭い──などの課題が存在する。

 課題解決に向けてこの計画では、目指すべき姿を「日本を代表する通年型観光地、県民の豊かな生活を体感させる公園」を掲げ、その実現に向けて▽偕楽園の思想の共感と継承▽エリアに共通したコンセプトによるトータルコーディネート▽ホスピタリティの提供▽魅せる風景&体験の場の提供──の4方策を盛り込んだ。

 そこで、本年度には魅力向上のため、歴史的建造物の復元とアクセス向上に取り掛かる。歴史的建物の復元については必要機能として、▽好文亭以外の拠点づくり(研修会、イベント会場など)▽竹林のポテンシャルを活かした会場(食事会、コンサートなど)▽歴史的景観の復元▽表門側への誘導──を掲げる。

 このうち、復元を予定する建物は、過去に表門付近に存在した建物群となる。現在の表門付近には作業小屋とトイレのみが配置してある。しかし、1850年ごろに作成された偕楽園図によると、複数の建物が描かれている。そこで県はこれらの建物群を復元し、偕楽園の魅力向上に取り組むこととした。

 建物群の復元にあたって、本年度は手始めに基礎調査を行う。当時の文献を参考にするほか、現地で試掘調査を実施する。遺構などが発見できれば、そこから建物の規模やその他の情報が判明する可能性があるという。また、同時代の建物などの資料も参考にしつつ、復元が可能かどうかも判断していく。

 偕楽園へのアクセスについては、課題として、▽駅から単に移動するだけ▽移動手段が限定的▽移動距離が長い▽JR常磐線や道路による本園と拡張部・千波湖の分断──が挙げられる。課題解決に向けて、水戸駅からのアクセス向上や、移動が楽しくなる周遊できる移動ルートについて検討していく。

 本年度は分断解消に向けた基礎調査を行う。偕楽園内の人の動きを調査することで、どこに人が多く流れるのかなどを把握し、有効的な整備箇所や方法を決定していく。整備方法としては園路の改良のほか、標識の設置、勾配解消などのバリアフリー化、自転車走行への対応、電動モビリティの採用などを検討していく予定だ。

 偕楽園魅力向上等推進事業と関連して、県では園路整備や施設の改修なども実施している。このうち、園路整備では現在、東門付近の砂利道をバリアフリーに配慮し、石畳へ改修している。全体で延長140mを計画し、これまでに延長20m分の工事が発注済みとなった。残る延長120m分については、文化庁と協議後に発注する予定。

 このほか、好文亭のトイレ改修費や偕楽園月池地区整備事業の負担金などの事業費も盛り込んでいる。

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