北茨城に新工場 県独自の補助金で初認定(サラヤ)

[2021/7/8 茨城版]
 県立地推進課は6日、県独自の補助金制度「国内投資促進強化プロジェクト事業」について、サラヤ(大阪府大阪市、更家悠介代表取締役社長)を第1号に認定した。県庁で開催した認定式では大井川和彦知事から更家社長に認定書が手渡された。同社は約52億円を投資して、北茨城市内にある同社関東工場内に、医薬品の製造工場を新設する計画だ。また、同日に同社と「医療用資材の優先供給に関する連携協定」の締結を執り行った。今回の協定締結により、緊急時には医療用消毒剤など、防疫に必要な県内医療機関1カ月分の資材を県内に優先的に供給することになる。

 大井川知事は今回の計画は、国内でも数少ない医療用消毒剤の生産工場新設であると説明し、「工場新設が医療体制の安定に重要な役割を果たすことを期待している。また、県北地域に優良な雇用の場を提供するものであり、県としてもありがたい」と述べた。

 また、昨年のコロナ禍で物資が不足している時期に、サラヤから消毒液やガウンなどの医療物資を提供してもらったことに改めて感謝の意を表したうえで、「今回の連携協定締結により、県民の安全・安心が一層強化されと認識している。今後は本県を製造・研究の拠点として活用し、さらなる発展を期待する」と語った。

 更家社長は昨年3月から北茨城市内の関東工場が稼働を開始し、それに伴いコロナ禍でも全国に医療資材を提供することができたことを報告したうえで、「パンデミックはいつどこで起こるか分からない。いざという時に対応するためにも第2期工場を建設することを決定した」と説明し、今回の工場新設で首都圏から全国まで、必要なところに資材を提供していく考えを示した。

 続けて、「本日の認定と連携協定の締結を受け、我々としても粉骨砕身で県の生産と雇用に貢献していく」と意気込みを語った。

 県では国の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」を活用し、国内に生産拠点の整備を検討する企業に対し、進出先として本県が選ばれるよう、国補助金に連動した県独自の上乗せ補助を行う制度「国内投資促進強化プロジェクト事業」を創設した。

 対象は建物取得費や設備費、システム購入費となり、補助率は10%で、国民が健康な生活を営む上で必要な品の生産は上限5億円、国内サプライチェーンの強靭化は上限30億円に設定している。

 この補助制度の認定第1号にサラヤが選ばれた。同社は消毒剤や洗浄剤、医薬品、食品の製造・販売などを手掛け、従業員1614人で資本金4500万円、売上高632億2900万円となる。

 補助対象の事業計画によると、北茨城市にある同社関東工場敷地内に、医療機関向け速乾性手指消毒剤(医薬品)の製造工場を新設する。敷地内には現在約2.4haの空きがあり、そこに工場棟1棟と一般倉庫1棟、危険物兼医薬品倉庫2棟、資材倉庫1棟を整備していく。建築面積については、5棟合計で約1万1000平方mになる見込み。概算事業費は約52億円とし、雇用見込数は約50人、操業開始は23年3月を予定する。なお、新工場は医療機関等向けの消毒剤製造で、国内最大級の生産能力を有することになる。

 「新型コロナウイルス感染症等の拡大防止に必要な医療用消毒剤(医薬品)等医療用資材の優先供給に関する連携協定」は、重大な被害を与える感染症が発生し、拡大するおそれがある場合に備え、県内医療施設の医療体制安定を図ることを目的とする。内容は、医療用消毒剤をはじめとした防疫に必要な県内医療機関1カ月分の資材について優先的に供給していく。主な品目には手指消毒剤(医薬品)約7000リットルや同(医薬部外品)約1万リットル、ガウン、サージカルマスク、手袋などを盛り込む。

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