二級水系で流域治水 県と4市村が協議会発足

[2021/8/3 茨城版]
 県と北茨城市、高萩市、日立市、東海村は7月30日、Web方式で第1回県二級水系流域治水協議会を開催した。この協議会では、県北地域の花貫川や十王川など27河川、16水系を対象に、県と3市1村が流域治水について検討していく。初会合となる今回は協議会設立趣旨や流域治水の内容、規約などについて審議し、原案通り可決した。今後は従来の河川対策以外の流域治水に係る取り組み状況を把握し、各機関の施策内容の確認やとりまとめを行い、来年度の出水期までに「県二級水系流域治水プロジェクト」を策定する見通しだ。

 流域治水プロジェクトは、近年の激甚化する水害を受け、河川管理者が行う対策に加え、河川流域全体のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害を軽減させる治水対策「流域治水」を行うもの。昨年度には、全国の各一級水系ごとに流域全体で緊急的に実施すべき流域治水の全体像を「流域治水プロジェクト」として策定・公表し、流域治水を計画的に進めている。

 県内の一級水系についても本年3月、国で流域治水プロジェクトを策定した。これを受けて県では、県管理河川である二級河川についても同様のプロジェクト策定に取り掛かることになり、このほど協議会を開催することになった。

 協議会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、Web会議を採用。冒頭には主催者を代表して県河川課の林利家課長があいさつ。林課長は激甚化する水害に対応するため、流域治水の取り組みが重要だとの認識を示したうえで、「本県の二級水系ではこれまでも、ダムの事前放流といった一部流域治水の取り組みを推進してきたが、このほど、流域治水を計画的に推進していくための協議会を設立することになった」と経緯を説明し、参加者への協力を求めた。

 本県の二級河川はすべて県北地域に集中しており、花貫川や十王川など27河川・16水系が存在する。このうち、4河川については、ダムを有している。

 プロジェクトのメニューとしては、規模は小さくなるが国と同じような内容を想定。具体的には河道掘削をはじめとするハード対策や、ダムの事前放流、ハザードマップの周知、水位計・監視カメラの整備など盛り込む。また、県内ではこれまでの実施例のない田んぼダムなどの取り組みについても協議していく。このほか、将来的には土地利用規制なども含めたソフト対策も視野にいれているという。

 今後の進め方としては、従来の河川対策以外の流域治水に係る取り組み状況を把握するために、ヒアリングを実施する。対策内容については、ますばダムの事前放流に取り組んでいる3水系(十王川、花貫川、大北川)を先行して協議する。プロジェクト全体については、本年度内にも取りまとめ、22年度の出水期までにプロジェクトを策定する見通しだ。

 3市1村の担当者は、それぞれ二級水系での流域治水の取り組みに対して、地域住民の安全のために意義のあるプロジェクトだと共感し、関係各位で協議しながら取り組みを進めていく考えを示した。

 今回の協議会設立について、林課長は「今回で県内の空白地帯がなくなり、県内全域で流域治水に取り組むことができようになった。二級水系の流域治水については、各市村から意見をくみ取り、それをどう具現化して全体を進めるかが重要になる」と述べた。

 また、二級水系は国の直轄河川と異なり、規模が小さい河川も存在することを指摘し、「河川によっては、維持管理や浚渫といった日頃行う内容もプロジェクトに組み込む必要がある。今後プロジェクトをどのように推進するか、心を据えてしっかりとやっていきたい」と意気込みを語った。

 以下、協議会の構成員とオブザーバーは次の通り。(順不同)
▽構成員=日立市長、高萩市長、北茨城市長、東海村長、県土木部河川課長、県常陸大宮土木事務所長、県高萩工事事務所長

▽オブザーバー=県防災・危機管理部防災・危機管理課長、県農林水産部林業課長、県農林水産部農地局農村計画課長、県土木部都市局都市計画課長、県土木部都市局下水道課長、県土木部都市局建築指導課長

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