茨城町に新工場 次世代バッテリーを生産へ(エンビジョン)

[2021/8/6 茨城版]
 車載用リチウムイオンバッテリーの生産や製造を手掛けるエンビジョンAESCジャパン(神奈川県座間市、松本昌一代表取締役社長兼CEO)は4日、県庁で茨城中央工業団地へのバッテリー工場設置に関する発表会を開催した。会場には、大井川和彦知事や日産自動車のアシュワニ・グプタCOOらも出席し、国内最大級となるリチウムイオンバッテリー新工場の設置による雇用確保やカーボンニュートラルの推進などに期待を示した。同社では24年中の量産開始を目指す。

 エンビジョンAESCグループは、日欧米で約60万台の電気自動車に対してリチウムイオンバッテリーの供給を行っている車載型リチウムイオンバッテリーの世界的企業。県では、地球温暖化委対策として世界中でカーボンニュートラルの取り組みが進む中、今回の工場新設は先導的で重要な取り組みであることから、最大限の支援により誘致活動を展開していた。

 発表会であいさつした松本社長は、世界中で現在配信されている大きなニュースのひとつに持続可能な社会に向けたカーボンニュートラルへの施策があり、国内でも35年までに新車販売される全ての自動車が電動化されることなどを説明。この計画を担い、電動車の心臓部であるリチウムイオンバッテリーの重要性について指摘し、「本日、茨城で国内最大級の建設の発表をさせてもらうことは大変意義深い」などと語った。

 中央工業団地への立地については、関東圏への供給に適していることや、県による周辺のインフラ整備などの利点を挙げながら、「高い精度と信頼性を有する新開発の生産設備を活用し、IoTを活用して最新性のスマートファクトリーを実現する」と決意を表明。再生エネルギーの活用によりカーボンニュートラルを実現し、モデル工場として発信できるよう県などとの連携を進めることで、同社のミッションである持続可能な未来に向けて挑戦し続けていくことを誓った。

 大井川知事は、前日に設立したばかりの「いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出推進協議会」ついて触れながら、「コロナ禍でも将来を決めるようなギガ工場をつくっていただいたことは意義のあること」と喜んだ。続けて、カーボンニュートラルな社会を創ることは課題とともにチャンスでもあるとして、同社と連携し、十分な企業活動ができるように協力する意向を示した。

 グプタCOOは、電気自動車における日産の優位性を指摘しながら、新工場にはラインナップを拡充する上での期待を表明。コミュニティ全体が電動化へ進化していく変革の中で、カーボンニュートラルの実現に向けた積極的な取り組みへの決意を語り、両者がともに発展していくことに期待を示した。

 このあと、3者により新工場で製造予定のバッテリー見本にサインを入れ、事業拡大と発展を祈念した。

 新工場は、茨城町にある茨城中央工業団地(2期地区)の約36haの敷地に整備する。本年10月に着工したあと、24年中の完成を目指している。開業当初は年間6GWh、将来的には18GWhのリチウムイオンバテリーを生産する。投資額は約500億円を想定し、本県では「国内投資強化促進プロジェクト事業」を活用して20億円を補助する。将来的には約1000人(開業時は約400人)の雇用を見込んでいる。

 松本社長によると、県内への進出は昨年の2月ごろから検討に着手し、交通の便が良いことや整った周辺環境、県によるインフラ支援、関東圏で顧客確保など、総合的に判断して選んだとしている。同工場では、国内向けに第5世代のバッテリーセルやモジュールなどの生産を行うもようだ。

 大井川知事は、大型の企業誘致であること以外に、カーボンニュートラル関連の産業立地拠点として、全国と世界に名乗りを上げるプロジェクトを立ち上げた直後の発表だったことに「県にとって画期的なこと」と語った。続けて、新分野・最先端企業が立地することは県の今後の経済、雇用にとって意義のあることだとして、カーボンニュートラル関連産業の拠点を目指していく意向を示した。

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