基本計画に着手 新最終処分場整備が始動へ(県資源循環推進課)

[2021/8/28 茨城版]
 県資源循環推進課は、新産業廃棄物最終処分場整備に対する小川春樹日立市長の受託表明を受けて、事業に着手した。本年度は基本計画策定に向けて、近く外部の有識者で構成する検討委員会を設置して整備内容について検討していく。現在は委員を選定している段階にある。委員会の開催にあたっては、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、開催可能な方法を模索しているという。年度内にも基本計画を策定し、用地取得や実施設計につなげていく。

 本県の産業廃棄物最終処分場は、04年度から新規の民間設置の管理型最終処分場は無く、公共関与の最終処分場である「エコフロンティアかさま」も数年のうちに埋立ての終了が見込まれている。このため県は、18年度から検討委員会を立ち上げて、新たな最終処分場の整備の方向性や整備のあり方に関する基本方針の取りまとめ、および整備可能地の選定など検討を進めてきた。

 基本方針によると、新たな産業廃棄物最終処分場は「公共関与の手法」で、概ね170万立方mから260万立方mの容量を確保する管理型処分場を整備する。管理型最終処分場は、地下に水を浸透させない遮水構造を持つ産業廃棄物の埋立施設となり、発生する汚水は水処理施設で基準値以下に浄化後、公共下水などに放流する。

 整備可能地は、県全域を対象に客観的見地で段階的に絞り込み、検討委員会で選定された整備可能地3カ所の中から、整備候補地として日立市諏訪町地内を決定した。この場所は日立セメント太平田鉱山跡地で、採石場の採掘後の地形を利用して埋立容量約244万立方mの管理型最終処分場を整備する。

 5日には候補地である日立市の小川市長が建設地受託を県に表明。これを受けて、県資源循環推進課では事業に着手することになった。本年度は基本計画の策定を行う。なお、同業務はパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田)が担当する。

 基本計画策定の際には、新処分場の規模や構造、施設配置、運営収支など施設整備の基本的事項について、「エコフロンティアかさま」の現状や課題、新処分場の整備予定地とその周辺の自然環境、生活環境、産業などの状況、先進地事例の調査や評価を行い、持続可能な循環型社会の形成の推進に寄与する施設となるよう検討していく。

 基本計画の内容は、▽公害の防止、災害の防止、効率的な作業性、埋立地地盤の安定化などの機能に配慮するとともに埋立容量を確保する▽埋立地地盤などに応じた遮水工を設置するとともに、浸出水の速やかな集排水に配慮し、内部貯留をできるだけ少なくすることにより、埋立廃棄物の分解を促進させる──を踏まえて整備方針を策定する。

 また、埋立地の構造などの検討に関する調査では、地表・地質調査や水文・下水道調査、および測量を実施する。埋立計画では、埋立地の構造や埋立工法、埋立地基本形状計画、埋立容量および埋立年次計画の策定に取り組む。

 施設配置計画は、擁壁や堰堤の計画、遮水工計画、浸出水集排水計画、浸出水処理施設計画、地下水の集排水計画、雨水集排水計画、管理施設計画、搬入ルートおよび進入道路計画、施設配置計画を策定し、このほか併設施設の調査・検討や跡地利用計画、事業採算の検討なども行って基本計画報告書をまとめる。

 当初の整備スケジュールでは、基本計画・用地取得・環境影響評価・実施設計を20から22年度、建設工事を23から25年度に実施して、25年度からの供用開始を目標に掲げていた。

 事業の進捗としては、基礎調査と地盤調査はすでに実施しており、これから施設の内容を具体的に検討していく。検討にあたっては、外部の有識者で構成する検討委員会を設置して協議を進める見通しだ。

 なお、日立市長からの受託表明を受けて、大井川和彦知事は「地元の理解を得ながら、安全で信頼性の高い最終処分場施設を整備し、廃棄物処理の先導的役割を果たすとともに、持続可能な循環型社会形成を目指していく」とコメントしている。

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