歴史館設計に着手 中心市街地の活性化基本計画(鹿嶋市)

[2021/9/10 茨城版]
 鹿嶋市は中心市街地活性化基本計画の主要事業のうち、歴史資料館整備事業について、本年度から基本・実施設計に着手する。8月には「令和3年度市歴史資料館整備工事基本・実施設計業務」の指名競争を開札し、アトリエ10一級建築士事務所(鹿嶋市)が1950万円で落札した。本年度内にも基本・実施設計を策定し、来年9月の着工を目指す。また、主要事業のひとつである地域子育て支援センター整備事業も本年度から基本・実施設計に着手し、22年度の着工を予定している。

 市では19年12月に「中心市街地活性化基本計画」が内閣府から認定を受けた。計画期間は19年12月から25年3月までとし、市街地活性化に向けて各種事業を進めている状況にある。

 中心市街地活性化の方針は、「小さく始めて大きく広げるリノベーションまちづくりの展開」と「市民がまちを知り、愛することからはじめる観光まちづくりの推進」の2つの基本理念を踏まえ、まちなかの将来像を「鹿島神宮門前エリアをまちのにぎわいと暮らしの中心に」と定める。

 この将来像の実現を目指し、2つの基本方針を設定。基本方針1の「魅力的な商業地の再生を中心とした、市民や周辺地域住民が日常的に訪れたくなるまちづくり」ではリノベーションまちづくりのエリアへの連鎖やまちづくりを支える人材の発掘・育成、職住近接によるまちなか居住の機運づくりを、基本方針2の「常陸国一之宮・鹿島神宮を訪れる人々を楽しく滞遊させるための魅力ある観光まちづくり」では回遊性の向上によるにぎわい空間づくりや市民の愛郷心を基礎とした観光産業の展開、独自性が光る魅力的な観光地づくりに取り組む。

 市の中心的市街地は「宮中地区」と「鹿島神宮駅周辺地区」、「国道124号沿道のロードサイド商業地」の3つのゾーンに区分することができ、このうち市民がまちの中心と認識している宮中地区と、広域公共交通結節拠点となっている鹿島神宮駅周辺地区を加えたエリアを現代における門前町「鹿島神宮門前エリア」に位置づけ、この70haを計画の対象区域とする。

 中心市街地の活性化に向けては、「鹿島神宮門前エリアをまちのにぎわいと暮らしの中心に」を目指し、2つの基本方針を踏まえて重点目標1「人が集う魅力的な商業エリアの再生」と重点目標2「来街者が滞遊するまちづくり」の2つの目標を設定する。

 この計画の主要事業のひとつである歴史資料館整備では、市内に新たに歴史資料館を整備する。市内にはこれまで、自らの歴史を発信する施設は存在せず、市内で発掘した土器を収蔵する市どきどきセンターが存在するのみであった。

 そこで市は歴史や文化を保存・展示する施設を整備することを決定。歴史館整備により、市民の郷土への誇りと愛着の醸成に加え、文化財保存活動の活性化、市内外へ伝統文化の情報発信などを目標に掲げる。

 歴史資料館は当初、市民交流館と一体的に整備する予定であったが、計画を見直し、歴史資料館単体で整備することに変更。建設場所は鹿島神宮大鳥居近くに位置する式場「新仲家」の一部施設と駐車場用地を取得して、歴史館に転用する。

 取得予定の施設の名称は「コスチュームハウス新仲家」となり、施設の構造・規模はS造3階建て、延べ440平方m程度。この施設のリノベーションを行い、歴史館の一部として活用する。加えて、隣接する駐車場には施設を新築し、2施設合計で延べ1000平方mの規模を確保する計画となっている。

 施設には展示機能と収蔵機能を持たせるため、展示室や収蔵庫などを配置する予定。詳細については、学識有識者らで構成する検討委員会内で決定していくという。なお、検討委員会は本年7月に初会合を開催した。今後、複数回の検討を行ったうえで、本年度中に施設の方向性をまとめる見通しだ。

 中心市街地活性化基本計画関連では歴史館に加え、地域子育て支援センターの整備も進めている。建設場所は旧関鉄バスターミナル跡地駐車場の西側隣接地とする。施設の構造・規模はS造または木造平屋600平方m程度を想定している。

 基本・実施設計は団建築設計事務所(水戸市)が担当しており、本年度内の策定を目標とする。基本・実施設計策定後は22年度中の着工を予定している。

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