埋立容量は244万立方m 最終処分場 基本計画策定委で初会合

[2021/9/14 茨城版]
 県資源循環推進課は12日、第1回新産業廃棄物最終処分場基本計画策定委員会(委員長・大迫政浩国立環境研究所資源循環領域長)をウェブ形式で開催した。初会合となる今回は、基本計画策定に向けて、受入対象廃棄物・受入管理計画や整備候補地の概要、施設計画などを検討した。それによると、埋立地の規模は約9.8ha、容量は約244万立方mとし、オープン型処理場で整備する。施設の受入計画量は年間15.2万tに設定し、埋立期間は20年から23年間程度を予定。敷地内には埋立地に加えて、出水処理施設や防災調整池、管理棟、計量棟、展開検査場、環境学習施設などを配置する。概算工事費については、第3回検討委員会で明らかにする見通し。本年度内に4回の検討委員会を開催して基本計画を策定し、来年度の用地取得や実施計画につなげていく。

 この事業は県関与産業廃棄物最終処分場エコフロンティアかさまの継続施設として、新たな産業廃棄物最終処分場を日立市諏訪町地内に整備するもの。本県の産業廃棄物最終処分場は04年度以降、新規の設置許可がない状況にある。さらに、エコフロンティアかさまの埋立進捗は、20年度末で約75%まで進み、近い将来にひっ迫することは必至となっている。そこで、県は新たな産業廃棄物最終処分場を整備するために、基本計画に取り組んでいる。なお、同業務はパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田)が担当する。

 基本計画策定にあたっては、学識経験者や関連業界、日立市、県などで構成する検討委員会を設置して取り組む。検討委員会は当初、日立市内で一般にも公開して開催する予定であった。しかし、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けて、感染拡大防止の観点から開催をウェブ方式に変更した。

 冒頭には主催者を代表して県県民生活環境部の矢口和博部長があいさつ。矢口部長は産業廃棄物を取り巻く状況を説明し、「廃棄物の3Rや適正処理の取り組みを推進し、持続可能な社会の形成を目指す必要がある」と考えを示した。続けて、リサイクルできない廃棄物の適正処理には、最終処分場を安定的に確保することが重要だと指摘するとともに、新最終処分場建設を取り巻く状況を説明し、「新最終処分場は安全で安心な施設はもとより、地域との共生が図られた施設整備を目指しているので、委員の皆さまには協力をお願いしたい」と述べた。

 続けて、大迫委員長が「最終処分場は生活や産業を支える重要なインフラのひとつ。循環型社会の形成がかなり進んできているが、今後もリサイクルできない廃棄物の処理は必要であり、最終処分場という存在は依然として不可欠だと思っている。日立市の決断を踏まえ、委員会としても責任を感じながら検討を進めていきたい」と意気込みを語った。

 今回の検討では、事業概要や受入対象廃棄物・受入管理計画、整備計画地の概要、施設計画として、▽施設構造形式▽施設配置計画▽埋立計画▽埋立地造成計画▽貯留構造物▽遮水工──などについて議論を交わした。

 このうち、整備の基本理念には、▽安全・安心な施設づくり▽自然環境との共生▽高い安全性の確保▽地域社会との共生▽安定的な施設運営──の5項目を掲げた。

 受入の対象となるは、廃棄物で、▽燃え殻▽汚泥(無機性のものに限る)▽ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず(廃石膏ボード含む)▽鉱さい▽がれき類▽ばいじん-とし、一般廃棄物で、▽焼却灰▽ばいじん▽不燃残さ(地方公共団地などの焼却施設から出た焼却灰など)▽災害廃棄物──となる。

 受入計画量は年間15.2万tに設定。この数値は、エコフロンティアかさまの直近過去5年間の平均受入量や、産業廃棄物最終処分量減量化の目標値を踏まえて算出した数値となる。また、埋立期間については、20年から23年間程度になると試算している。

 施設構造形式では、オープン型処理場形式を採用することを明記。県ではオープン型処理場と被覆型処理場の2形式のメリットとデメリットを比較検討した。オープン型を採用した理由として、埋立容量の確保が比較的容易で、施工しやすく、建設費が被覆型に比べて安価であることや、これまでの経験と知見からオープン型のリスクへの対応は可能ということを挙げる。

 全体配置計画では、埋立地の規模は約9.8ha、容量は約244万立方mに設定。埋立容量を確保しやすくするため、鉱山跡地の窪地を利用した配置となる。また、浸出水の発生量を抑制するために埋立地内に区画堤を計画していく。

 浸出水処理施設の規模は約4000平方mとし、管理棟付近に設置。防災調整池は約7000平方mで、施設最下流部に計画。管理棟は約1000平方mで施設入口側に設置する。計量棟には秤量40tを2基確保し、管理棟付近を基本に設置していく。展開検査場は約1000平方mで、軽量棟の後段に計画する。

 このほか、管理用道路は幅員6mで、縦断勾配に7%と設定。埋立地を管理するために、埋立地の外周を一巡できる配置とする。また、洗車設備や待機場、覆土置き場などの設置も盛り込んだ。なお、施設内に配置する環境学習施設については、詳細は県と日立市で内容を検討して、整備を進めていく。

 委員からは、近年頻発する想定外の自然災害への対応方法について質問が出た。このほか、太陽光発電関連の処理方法や地域住民への安全確保と十分な対応ができていることの説明の必要性など、活発な議論となった。県では今回の検討内容をまとめ、近くホームページで内容を公開する予定だ。

 今後のスケジュールは、10月末に開催予定の第2回委員会で、▽浸出水処理設備▽地下水集排水設備▽雨水集排水設備▽管理施設▽併設施設の検討▽環境保全計画──などを検討していく。その後、市民を対象とした中間報告会を開催する。第3回では跡地利用計画や運営・維持管理計画を検討し、22年1月開催予定の第4回で基本計画案を取りまとめる。計画案完成後は市民報告会を開催し、その後基本計画を策定する見通しとなっている。

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