防疫実績を新設 総合評価の基準など改定 来月1日起工分から適用(県土木部)

[2021/9/30 茨城版]
 県土木部は27日、総合評価方式の改定概要を明らかにした。今回は、「防疫業務の実績」の評価項目を新設するほか、「配置予定技術者の施工経験」と「災害協定に基づく地域貢献の実績」の評価項目の見直し、特別簡易型(I)・(II)における事前審査方式の廃止、技術評価点の改定を盛り込んだ。これらの取り扱いは10月1日起工分の総合評価方式の一般競争入札から適用する。

 公共工事発注の際、企業の実績や技術力など価格以外の要素を含めて落札者を決定する「総合評価方式」について、県土木部は05年度から順次試行を拡大してきた。昨年度の実績をみると、一般競争入札案件全体の41.4%(建築関連工事を除き45.1%)にあたる712件の工事で実施している。

 下半期の総合評価方式実施方針によると、改正品確法の基本理念や建設現場の生産性向上(平準化・ICT技術)、働き方改革の促進、社会情勢、建設産業の動向などを踏まえて総合評価方式を推進すると明記。また、一般競争入札案件の中から工事の特性などで対象工事を選定して実施し、予定価格1億5000万円以上の工事は原則、総合評価方式での発注とすると示した。

 主な改正点のうち、評価項目として新たに「防疫業務の実績」を新設した。これは、昨年度に城里町で発生した鳥インフルエンザに対して、県建設業協会が実施した防疫作業を踏まえての新設となる。

 この評価項目では、県と締結している特定家畜伝染病発生時の防疫業務に関する協定に基づき実施した防疫業務の実績の有無を評価する。具体的には鳥インフルエンザや豚熱、口蹄疫などへの対応を想定している。入札日の属する年度を除く過去2カ年度において、発注者が当該業務の事実を証明書類により確認できるものが対象となる。配点は実績ありで1点が加点される。

 「配置予定技術者の施工経験」評価項目の見直しでは、20年10月1日付の建設業法改正の施行に伴い、建設業法第26条3項ただし書きの規定を受ける特例監理技術者および監理技術者補佐の配置が始まったことを受け、評価項目の見直しを行う。具体的には、配置予定技術者の施工経験の項目で、現行の「主任技術者、監理技術者、または現場代理人」の箇所を「主任技術者、監理技術者(特例監理技術者含む)または現場代理人」に改定する。

 なお、特例監理技術者は監理技術者補佐を工事現場に専任で配置するなどの条件を満たした場合、2件までの工事を兼務することができる。この取り扱いも10月1日以降公告の工事から適用となる。ただし、今回の改定では、監理技術者補佐は評価対象外とした。今後、監理技術者補佐の配置が多い状況になった場合などには、来年度以降に評価項目を改定することも視野に入れているという。

 「災害協定に基づく地域貢献の実績」評価項目の見直しでは、昨年度に改定を行った災害協定の連携強化の一部を見直す。これは新型コロナウイルス感染拡大に伴い、21年度土木部防災訓練が見送られていることを受けての見直しとなる。改定箇所は現行の「土木部防災訓練」を「土木部防災訓練等」に改定し、解釈の範囲を拡大した。

 「若手技術者の配置」評価項目の見直しでは、評価基準の見直しを行う。今回の見直しは、これまで曖昧であった若手技術者の定義を明確化した。これにより、若手技術者が主任技術や現場代理人の場合、資格要件あり・なしの場合について、それぞれ評価点が何点になるかが分かりやすくなったという。

 具体的には、現行の「当該工事の主任技術者又は監理技術者の資格を有する若手技術者の配置有り」を「当該業種の主任(監理)技術者の資格を有する若手技術者を当該工事の主任(監理)技術者又は現場代理人に配置有り」に改定。加えて、現行の「若手技術者の配置有り」を「若手技術者を現場代理人に配置有り」に改定する。県土木部によると、表現を分かりやすくしただけで、運用上は大きな変更はないという。

 審査方式の改定では、特別簡易型(I)・(II)における事前審査方式を廃止する。これまでは、発注機関において事前と事後のいずれかの審査方式を選択して発注していたが、それを改定する。改定後は、事前審査方式は簡易型・標準型のみとなり、事後審査方式は特別簡易型(I)・(II)型となる。

 技術評価点の改定では、評価点(基本形)の設定を、従来の「12.5点から59.5点」を「13.5点から60.5点」に変更する。総合評価の種類別にみると、特別簡易型(I)は13.5から17.5点、同(II)は16.5から20.5点、簡易型は26.5から30.5点、標準型は36.5から60.5点となる。

 このほか、市町村への支援では従来と同様、総合評価方式導入市町村の拡大と実施市町村での試行定着を図っていく。県では引き続き制度説明や県で委嘱する学識経験者の市町村共同活用などといった市町村支援を実施していく方針だ。

 詳しい問い合わせは、県土木部検査指導課技術指導担当(電話029-301-4375)まで。

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