久米JVで設計 あすなろの郷 23年度からの着工目指す(県営繕課)

[2021/10/1 茨城版]
 県営繕課は9月29日、「県立あすなろの郷建替工事基本設計業務」の公募型プロポーザルについて、最優秀者に久米設計・パル綜合設計JVを選定し、税込1億0670万円で契約を締結した。基本設計は約6カ月で策定する。基本設計策定後は、同JVに随意契約で実施設計を委託する予定。スケジュールとしては、22年度に実施設計、23-24年度の2カ年で建設工事を行う見通しだ。

 あすなろの郷は1973年に知的障害児および重症心身障害児の援護施設として開設。水戸市杉崎町の敷地面積66万5451平方mに障害者支援施設や医療型障害児入所施設・療養介護事業所など延べ2万9745平方mの建物を設置し、本県の知的障害者福祉の中核施設の役割を担っている。しかし、築後48年が経過して施設の老朽化が進行したことに加え、旧基準の建物であることなどを理由に、建て替えを行う。

 再編整備にあたっては当初、県と民間事業者との役割分担の考え方に基づき、県は民間事業者では対応が困難な者への支援に特化し、それ以外の支援は民間活力を導入する予定であった。しかし、保護者の不安を踏まえて、昨年12月に整備計画の変更を実施。その結果、あすなろの郷は県立施設として整備し、最重度の障害のある者向けの入所施設や病院などの基本設計と既存施設の解体工事を速やかに実施することで、新施設の早期建設を図ると定めた。

 基本設計では、障害者支援施設と病院兼医療型障害児入所施設兼療養介護事業所建て替えの基本設計を行う。施設の規模は全施設合計で約2万平方m程度となる。

 障害者支援施設では入所施設部門に約1万0300平方m、管理部門700平方m、地域生活支援部門2000平方m程度を確保する。このうち、入所施設部門は居室や食堂、会議室など居住系に9000平方m、訓練・作業室など日中活動生活介護系に300平方m、給食室や売店などサービス系に1000平方mを割り当てる。

 病院兼医療型障害児入所施設兼療養介護事業所では病院機能として外来診療エリアに2000平方m、医療型障害児入所施設・療養介護事業所機能として入院エリア(50床)2000平方m、通所エリア500平方m、病院事務エリア500平方mを配置する。

 施設の基本要件のうち技術提案については、▽感染対策に十分に配慮した動線を確保し、原則として20人を1生活・支援単位「ファミリー」とし、2生活・支援単位・40人「寮」で独立した生活・支援単位とするとともに、在宅障害者など入所者以外の障害者も利用しやすい平面計画▽利用者にとって適切で十分な療育・療養環境を確保し、支援員が管理・支援しやすいレイアウト・構造、共に生活しやすい施設となるよう家庭的な明るい意匠計画▽高低差のある敷地を有効活用し、安全で機能的な避難、災害にも対応しやすい配置計画▽障害者支援や見守り、防犯、感染対策でICTなどの最新技術を最大限に活用できる設備計画──などを求めていた。

 プロポーザルには6JVが参加。審査の結果、最優秀者に久米設計・パル綜合設計JV、優秀者に伊藤喜三郎・横須賀満夫JVを選定した。

 最優秀者となった久米設計・パル綜合設計JVの提案について審査委員は、既存施設の特徴を継続させた現代版小舎制ともいえる施設形態を採用した結果、接地性が高く、利用者の避難などの重要な課題に具体的な回答がされていたことを評価。また、SDGsへの対応や、日中活動空間がバリエーションを持って利用できる配置、将来の地域移行へ対応できること、施設スタッフへの配慮などの点を高く評価した。その一方、S造と木造の混合造の提案や、食堂のプランニング、スタッフルームの配置・規模については、今後の具体的な設計の中で解決すべき事項と指摘している。

 今後のスケジュールとしては、本年度中に基本設計を策定し、22年度から実施設計に着手する。工事は23-24年度の2カ年で行い、25年度の供用開始を予定する。

 関連事業として県は、建設地に位置する既存施設の解体工事や進入路付け替え工事なども進めている。解体工事は県営繕課が担当し、対象となる施設は学習機能訓練棟や体育館、窯業棟、テニスコートなど。本年度は学習機能訓練棟と体育館の解体を行う。残る窯業棟とテニスコートの解体については、来年度の発注を予定している。

 進入路付け替え工事は県障害福祉課が担当となる、この道路は、新施設建設工事の搬入路としても活用する考えのため、22年度中に工事を完了させる見通しだ。

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