年度内にプロポ 文化的施設建設の基本設計(茨城町)

[2021/10/2 茨城版]
 茨城町は新たな文化的施設の整備に向けて、本年度は基本設計に着手する。設計業者の選定は年度内にも公募型プロポーザルで告示する予定。設計委託料については、9月補正で3000万円を確保した。基本設計策定後は、22-23年度で実施設計を策定していく。また、23年度には、新施設の建設場所である中央公民館大ホールの解体と造成工事を実施。新施設の本体工事は24年度から着手する見通しだ。

 文化的施設整備事業は、中央公民館が東日本大震災で大きな被害を受けたことを踏まえ、新たな文化的施設を整備するもの。当初は小幡地内の県養鶏試験場跡地を整備場所に選定し、事業を進めていた。しかし、震災復興やオリンピック関連の施設整備に伴う建築資材や人件費の高騰など、建設コストが増加したことにより事業を中断した。その後、17年末から事業を再開し、19年秋からは外部有識者による検討委員会を設置し、協議を進めてきた。本年9月には基本構想が策定となり、これを受けてこのほど、基本設計に着手することとなった。

 基本構想によると、町内にある文化施設は駒場庁舎と中央公民館大ホールの2施設が存在する。駒場庁舎は学校再編に伴い、閉校となった旧駒場小学校の一部を文化施設として活用。主にクラブ活動の練習や会議、町民講座などに利用している。施設の構造・規模はRC造2階建て延べ2200平方mで、1975年建築となる。

 中央公民館大ホールは、町民の日式典や成人の日式典などのイベントの実施場所として活用している。施設の構造・規模は、S・RC造平屋1047平方mで、74年建築となる。

 既存施設の課題としてはまず、駒場庁舎は諸室が細分化され、地域・世代間の新たな交流が生まれにくい状況にあることが挙げられる。さらに、防音や遮音設備がないため、活動が制限されることも課題となる。

 中央公民館大ホールは、プロの音楽家などの演出に対応できる設備が備わっていないことに加え、冷暖房設備が未整備であることが問題となっている。さらに、同施設は築45年を超え、雨漏りなどの老朽化が著しいため、改築の必要性が指摘されてきた。

 町はこうした課題や文化芸術活動の方向性を踏まえ、新たな文化施設が目指す姿を「世代を問わずだれもが気軽に文化芸術にふれ、楽しみ、活動できる空間」と定めた。

 その実現に向けて、基本方針は、▽幅広い利用に対応でき、自分たちが楽しむことのできる施設▽文化芸術を身近に触れることができる施設▽多様な交流が生まれる施設──を掲げた。さらに5つの柱には、▽ホール用途は単に興行目的でなく、主に町民が日頃の成果を発表できる施設▽ホールに加えて、町民が日常的に文化芸術活動を行える諸室を備えた施設▽子ども連れもゆっくり文化芸術の鑑賞や活動ができる施設▽世代を問わず誰もが気軽に利用できる施設▽屋外で日常的にイベントなどが開催できる施設──を盛り込んだ。

 具体的な施設機能には、▽ホール機能▽活動支援機能▽交流促進機能▽施設運営機能──の4機能を盛り込む。ホール機能では、合唱や演奏、演劇などの文化活動や大規模な式典に対応できるよう、多目的ホールやギャラリー、楽屋、トイレなどの配置を予定する。延床面積は、約1600平方m程度を想定する。

 活動支援機能には音楽練習室や軽運動室、会議室、和室などを配置し、床面積は約400平方m。交流促進機能では、エントランスや多目的室、ラウンジ、屋外広場などで延床約400平方m。施設運営機能には、事務室とキッズルーム、調理室、トイレなどで約600平方mを確保する。施設全体では合計3000平方mの規模になる予定だ。

 施設整備にあたっては、周辺建築物の景観に配慮するとともに、都市部と農村部が調和した茨城町らしい外観デザインとし、安心感やすごしやすさを感じさせる施設にする。また、文化的施設は指定避難所としての役割を担うため、施設の耐震化や不燃化なども実施していく。このほか、環境面への配慮として、太陽光発電システムの設置による再生可能エネルギーの活用や、省エネルギー設備による環境負荷低減、雨水貯留槽の設置なども検討していく。

 概算事業費は総額26億円に設定。内訳は測量・地質調査委託料1000万円のほか基本・実施設計、工事監理委託料の合計が1億6000万円。工事費は解体・造成工事費8000万円、本体工事費20億円、外構工事費2億円となる。このほか備品購入に1億5000万円を予定する。

 今後のスケジュールは、基本設計を策定したのち、22-23年度に実施設計を策定する。既存施設の解体設計は実施設計内でまとめる予定。実施設計策定後は、23年度に解体と造成工事、24-25年度に本体・外構工事を行い、25年度中の供用開始を目指す。

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