鹿嶋でホテル再生 環境整備モデル事業を選定(国土交通省)

[2021/10/14 茨城版]
 国土交通省はこのほど、「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」について、本年度第1回の公募の中から4事業者を選定した。このうち、本県からは、まちづくり鹿嶋株式会社が提案した「ホテルの機能とサービスをいかした多世代・多用途の利用を図る複合拠点施設再生」が選定された。この提案では、鹿嶋市内にあるホテルを改修し、複合拠点施設へと再生する計画となっている。

 「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」は、ライフステージに応じて変化する居住ニーズに対応して、高齢者や障害者、子育て世帯など、誰もが安心して暮らせる住環境の整備を促進するため、先導的な取り組みを行う民間事業者などを公募し、先導性が認められたプロジェクトを支援するもの。事業内容は、▽課題設定型▽事業者提案型▽事業育成型▽特定課題対応型──とし、補助率は建設工事が10分の1、改修工事が3分の2、技術の検証が3分の2となる。上限額は課題設定型と事業者提案型、特定課題対応型が3億円、事業育成型が500万円に設定。期限は23年度までとなる。

 今回は6事業の応募があり、審査の結果、4事業を選定。選定されたのは、▽居場所よっとーくりゃす「誰もが暮らし続けられるすまいと地域の拠点づくり-空き家になった京町家の活用」(京都府京都市)▽まちづくり鹿嶋株式会社「ホテルの機能とサービスをいかした多世代・多用途の利用を図る複合拠点施設再生」(鹿嶋市)▽株式会社いきいき「地域課題をつなぎ、分け隔てなく皆が交わる小さなまちの実現」(青森県青森市)▽特定非営利活動法人ライフサポートセンターHAPPY「お独りでも『安心住まい』『安心生涯』―終活プラン作成で最適住まいと管財・介護、相続執行までをトータルサポート―」──となる。

 このうち、まちづくり鹿嶋は鹿嶋市内にあるホテル「古保里」を改修し、複合拠点施設として再生する計画を提案。なお、共同提案者は株式会社古保里と、合同会社住まい・まちづくりデザインワークス鹿嶋事務所の2者となっている。

 事業内容は課題設定型とし、最も重視するテーマに「長く健康に暮らせる高齢者住宅の整備」を掲げた。あわせて、子育て世帯向け住宅の整備や多様な世帯の互助を促進する地域交流拠点の整備も実施していく。

 まちづくり鹿嶋は、観光地である地方都市の中心市街地での課題として、宿泊施設の老朽化や新型コロナウイルスへの影響への対応に加え、高齢者やひとり親世帯などの住宅確保要配慮者が地域で住み続けるため、街なかでの低廉な家賃の住まいの確保の必要性を指摘した。

 そこで今回の提案では、老朽化したホテルの改修を行う。その際には、低層階には飲食店や託児所などの街なかの生活利便機能を開設し、中層階では高齢者やひとり親世帯などの住まいを確保する。老朽化した施設を地域拠点として再生させることで、多様な世帯のまちなか居住と中心市街地活性化の実現を目指す内容となる。

 この提案に対し、国交省は「まちづくり会社が、福祉と地域ビジネスを融合させた複合施設として改修することで、コロナ禍で苦慮する観光地の宿泊施設の可能性を追求する、地元主導の意欲的な提案」と評価した。ただし、提案内容にはサポートの内容や、サポートにあたる地域の支援団体との連携内容の提案が不足していることを指摘。事業を進めるには、具体的な対象者属性と入居の見込み、対象者に応じた必要な支援・サポート内容を実施するための連携主体・連携のあり方を明らかにすることが必須だと明記。まちづくり鹿嶋ではこの指摘を踏まえて、事業に取り組む予定だ。

 まちづくり鹿嶋は鹿嶋市の高齢化対策や、観光客の回遊性や滞遊性を担保するための魅力的な門前町を育成することなどを目的に、鹿嶋市と鹿島神宮、鹿嶋市商工会、鹿嶋市観光協会、鹿島灘漁業協同組合、JAなめがたしおさいの6者が出資して、18年に設立した株式会社。鹿島神宮という地域資源をいかした新たな観光のまちづくりにより、中心市街地活性化モデルの実現を目指す。

 なお、国土交通省では「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」の第2回公募を先月末まで受け付けており、12月中を目途に選定を行う予定だ。

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