3カ月で168件契約 土木部の電子契約締結状況(県監理課)

[2021/10/15 茨城版]
 県土木部が発注する建設工事と建設コンサルタント業務における電子契約の締結状況が、3カ月で168件に上ることが明らかになった。県監理課では本年7月から電子契約を導入し、9月末で約3カ月が経過。現時点で電子契約対象件数は561件となり、このうち168件で契約を締結。内訳は工事が357件中73件、建設コンサルタント業務が204件中95件となる。契約締結の割合は工事が20.4%、コンサルが46.5%で、コンサルの方が電子契約の締結が進んでいる状況にある。県監理課ではさらなる電子契約締結数の向上に向け、周知を図っていく考えだ。

 県ではDXへの取り組みの一環として、立会人型電子入札契約サービス導入に向けて弁護士ドットコムと契約を締結。県土木部ではこれを受けて、7月から電子契約の導入を開始した。当初は対象案件を限定し、段階的に拡大していく予定であった。しかし、8月の県非常事態宣言を受けて、感染拡大防止の観点から方針を変更。その結果、8月中旬以降はすべての工事・コンサル案件で電子契約の締結が可能になった。

 立会人型の電子契約のメリットとして、従来の電子契約と異なり、地方自治体がサービス提供事業者と契約している場合、相手方は電子証明書を取得する必要がないことが挙げられる。そのため、インターネット環境が整っていれば、特別必要な機器やソフトは必要なく、スマートフォンだけで簡単に電子契約の締結が可能となる。

 このほか、印刷や製本、郵送、押印などの事務作業や、経費、契約締結までに要する時間の削減が期待できる。特に契約書を届けるための県出先機関などへの移動時間は完全に必要なくなり、その時間をほかの作業に充てることで働き方改革にもつながる。

 コスト面では、電子契約だと課税対象とならないため、印紙代がかからないという利点がある。従来方式でも印紙代は経費として落ちるため、特に変わらないという見方もできる。ただし、印紙代は全税額から控除されるわけではないため、印紙を買わないほうが結果的に利益が上がることになる。

 このほか、直接面会する機会が減ることで、新型コロナの感染拡大防止や談合防止などの効果も期待できるという。

 県監理課によると、電子契約の導入を開始した当初、コンサル業者からの反応は良かった一方、建設業者からの反応はあまり良いものではなく、なかなか導入が進まない状況にあった。ヒアリングの結果、銀行から運転資金の融資の時、はんこのない電子契約では契約の妨げになるのではないかという建設業者の懸念があることが判明した。

 そこで同課は複数の銀行に赴き、電子契約が制度上問題ないことを確認。その際に銀行でも現時点で電子契約を取り扱う数が少ないため、電子契約の認知度が高くないことが分かった。課題解決に向けて同課では、各銀行で電子契約の仕組みを説明し、認知度向上に努めているという。これに関連して9月には、金融機関と建設業者向けに、原本がなくとも電子上で契約の確認ができる方法の手順書を作成し、同課のホームページに掲載している。

 今後の取り組みとしては、電子契約の普及・促進に向けて、各地で説明会などを開催する予定。また、電子契約の取り組みを市町村に対して情報提供していく。これにより、電子契約を市町村発注工事にも波及させ、県内全体で取り組めるよう働きかける考えだ。

 電子契約について、県監理課の野上周副参事は「電子契約は費用の節約や手間の削減、コロナ対策など、デメリットよりメリットが大きい。受注者の皆さまにはぜひ活用してほしい。コロナ禍で各地区の説明会も中止になってしまった状況にあるため、今後は普及・啓発に向けて説明会を開催し、電子契約での締結数を増やしていきたい」などと意気込みを語った。

 また、同課はDX推進の取り組みの一環として、今回の電子契約に加え、1月から設計変更に係る契約手続きも変更した。これにより、従来持参であった設計変更に係る見積書の提出も電子メールで提出することができるようになった。同課では、新型コロナ対策やDX推進に向けて、建設業者らに積極的な利用を呼びかけている。

 電子契約についての詳しい問い合わせは、県土木部監理課建設業担当(電話029-301-4334)まで。

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