調整槽は笠間の3倍 最終処分場 第2回検討委員会を開催

[2021/11/2 茨城版]
 県資源循環推進課は10月30日、第2回新産業廃棄物最終処分場基本計画策定委員会(委員長・大迫政浩国立環境研究所資源循環領域長)をウェブ形式で開催した。2回目となる今回は、基本計画策定に向けて、施設計画と併設施設計画、環境保全計画などについて検討を行った。このうち、浸出水処理施設の処理規模は1日あたり400立方m、調整槽容量は3万0330立方mに設定。容量については現処分場であるエコフロンティアかさまの約3倍の規模となる。十分な容量を確保することで、近年多発する集中豪雨にも対応していく考え。このほか、防災調整池の規模や中間処理施設を整備しないこと、環境学習施設の整備の方向性、脱炭素化に向けた取り組みなどを盛り込んだ。本年度内に4回の検討委員会を開催して基本計画を策定し、来年度の用地取得や実施計画につなげていく。

 この事業は県関与産業廃棄物最終処分場エコフロンティアかさまの継続施設として、新たな産業廃棄物最終処分場を日立市諏訪町地内に整備するもの。本県の産業廃棄物最終処分場は04年度以降、新規の設置許可がない状況にある。さらに、エコフロンティアかさまの埋立進捗は、20年度末で約75%まで進み、近い将来にひっ迫することは必至となっている。そこで、県は新たな産業廃棄物最終処分場を整備するために、基本計画に取り組んでいる。なお、同業務はパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)が担当する。

 これまでの検討から、埋立地の規模は約9.8ha、容量は約244万立方mとし、オープン型処理場で整備する。施設の受入計画量は年間15.2万tに設定し、埋立期間は20年から23年間程度を予定。敷地内には埋立地に加えて、浸出水処理施設や防災調整池、管理棟、計量棟、展開検査場、環境学習施設などを配置する。概算工事費については、第3回検討委員会で明らかにする見通しとなっている。

 冒頭には主催者を代表して県民生活環境部の松浦浩生次長が「今回は、浸出水処理施設などについての検討となるが、忌憚のない意見をお願いする」と述べた。

 今回の検討では、施設計画と併設施設、環境保全計画について検討を行った。施設計画では、▽浸出水集排水施設▽浸出水処理施設▽地下水集排水施設▽雨水集排水施設▽管理施設──について議論した。

 このうち、浸出水処理施設の規模については、過去30年間の日立市の降水量などのデータや浸出係数、埋立面積などを基に数値を決定。施設検討の方針としては、▽最大降雨量と月間最大降雨量を加味した施設規模とすること▽浸出水処理施設の効率的な運転な可能であること▽既存施設と比較して過大な調整槽容量とならないこと▽近年頻発する集中豪雨を想定した施設規模であること──を盛り込んだ。

 その結果、新最終処分場の施設規模は1日あたり400立方mで、調整槽容量は3万0300立方mに定めた。エコフロンティアかさまの調整槽容量は1万0800立方mであるため、約3倍の規模となる。また、万が一、新施設の規模を上回る雨が降ったとしても、内部貯留で対応できる対策を実施するという。

 防災調整池の規模については3万1000立方mに設定。これは関東・東北豪雨が発生した際の降雨実績を踏まえ、シミュレーションを行い、検証した数値となる。

 併設施設の検討では、中間処理施設の必要性と環境学習施設の整備の方向性を検討した。このうち、中間処理施設については、県内の設置数は増加傾向にあり、さらに、特別管理産業廃棄物はいずれの品目も民間処理施設で処理可能な状況にあるという。そこで、公共関与による中間処理施設は整備しないという方向性を示した。なお、廃プラスチックや太陽光発電施設などのリサイクルに係る社会的ニーズに関しては、民間の取り組みを促していく。

 処分場に併設する環境学習施設については、基本コンセプトを「学ぶ」、「体験する」、「つなぐ・活動する」に設定。ごみ問題や3Rなどの資源循環に関する学習、さらには日立市の自然や周辺環境と連携した体験学習や環境学習を通じて、環境に関する総合的な理解を促進する施設とする。あわせて、地域間の交流や他の施設と連携し、県内全域に波及できる環境学習を提供できる場を目指していく。なお、環境学習施設の具体的な検討については、県や日立市などで協議を行っていく予定だ。

 環境保全計画のうち、地球環境保全対策では、カーボンニュートラルの取り組みを行う。最終処分での温室効果ガスの排出抑制策としては、▽有機性廃棄物の受け入れはしない▽適正な浸出水処理施設の設置などによる準好気性埋立構造の導入▽集排水管などのスケール除去やポンプの導水による閉塞防止▽浸出水処理施設の適正な運転管理──などを行う。

 また、削減策として、▽埋立地周辺の緑化▽路面などへのリサイクル資源の利用▽太陽光発電の実施▽雨水排水路などを活用した小水力発電──などを計画している。

 今後のスケジュールは、第1回と2回の検討内容について、日立市民に向けて中間報告会を行う予定。12月末に開催予定の第3回では、跡地利用計画や運営・維持管理計画を検討し、第4回で基本計画案を取りまとめる。計画案完成後は市民報告会を開催し、その後、基本計画を策定する見通しとなっている。

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