設計精度など議論 茨建協と意見交換会を開催(関東整備局)

[2021/11/3 茨城版]
 国土交通省関東地方整備局(若林伸幸局長)と県建設業協会(石津健光会長)による意見交換会が1日、水戸市内で開催された。今回の会合では、整備局が最近の取り組み方針や建設業界の動向などを説明したあと、▽詳細設計の精度向上▽品質証明人制度▽既製杭工の実勢単価との乖離▽3次元施工データの取り扱い──など4項目を主要テーマに活発な意見を交わした。

 この意見交換会は、県土木部も参加して毎年開催されているもので、受注者から実際の現場で起こっている実態を聴取した上で、整備局の施策などに反映させている。水戸市の県建設技術研修センターで行われた今回の会合には、若林局長ら整備局幹部や常陸河川国道事務所など管内の事務所長らが出席したほか、県からは仙波義正部長ら土木部幹部が出席した。

 議事を前にあいさつした若林局長は、整備局の本年度予算や上半期の執行状況などを説明しながら、協会には下半期の施工体制構築や的確な業務執行に向けた協力を要請した。続けて、技術革新やデジタル化など急速な技術進歩の中で、整備局が進めるインフラDX元年としての取り組みや人材育成センターの設置などを紹介し、今回の意見交換で得られた意見を今後の事業執行に生かしていく意向を示した。

 仙波部長は、災害に強い県土づくりなどの県が進める取り組みや、建設業界が果たす重要な役割などを説明しながら、「今後も担い手確保や働き方改革を積極的に支援していきたい」などと述べ、意見交換会に対しては、「一堂に会して意見を課題を共有することは有意義なこと」としてさらなる連携を訴えた。

 石津会長は、「国土強靱化のための5か年加速化対策」などにより、県内にも近年にない予算が確保された一方、上半期の国直轄工事では不調不落が相次いだとして、「これまで以上に連携を図り、公共事業の円滑な執行に万全を期したい」とオール茨城の体制で不調不落対策に取り組む意向を示した。また、業界が担い手確保や働き方改革、ICT施工、インフラ分野のDX対応などの課題に直面している中で、「国や県と連携を図り、課題解決に向けて取り組み、地域の基幹産業としての社会的使命を果たしていきたい」などと決意を新たにした。

 議事ではまず、整備局からの情報提供として、本年度予算の概要や執行状況、働き方改革と担い手確保への取り組み、インフラ分野のDX推進、土木工事電子書類スリム化ガイドの改定などについて解説。協会からは、活動状況の報告などとして、建設未来協議会や建女ひばり会、水害時や鳥インフルエンザ防疫作業などの災害時対応、生産性の向上と働き方改革、担い手確保、イメージアップに向けた各種取り組みなどを紹介した。

 続いて、整備局による前年度の意見要望に対する対応状況の説明が行われ、本年度のテーマに挙げた4つの議題について意見を交わした。

 このうち、詳細設計の精度向上では、精度に問題があった場合に工事着手までに多くの時間と費用が有するとして、詳細設計の精度向上と設計コンサルタントへの指導、技術職員の確保について検討を訴えた。

 これに対して整備局では、災害復旧などで概略発注があったとして、設計審査会による工事工程のクリティカルパスの共有や、条件明示チェックリストによる現場条件の確認を受発注間で実施することなどを説明。協会から「詳細設計が現地と合わないことがかなり多く、そこの資料づくりに時間が掛かってしまう」と問題点の指摘があった。これには、整備局でも「詳細設計は施工データの整理にもつながり、円滑な施工を進めるためにも重要」と理解を示し、しっかりと現地に適合するような詳細設計成果を挙げられるよう取り組む考えを示した。

 3次元施工データの取り扱いでは、3次元設計データのみでは現実的にICT施工は完遂できず、構造物の取り合いや詳細設計と現地の差異などのため、3次元設計データを3次元施工データに変換する必要があり、多くの時間と労力が費やされていると指摘。3次元施工データが必要となった場合には、変更対象としての費用を認めるよう訴えた。これについて整備局では、現場条件の大幅な変更などにより見積金額に差異が生じた場合には、根拠資料などによる確認後に、適正な費用を計上することとなっていることを紹介するなど、設計審査会で協議を行い、適切な契約変更と工期確保に努めるとして理解を求めた。

 このほか、CCUSの運用を進めるため、企業が享受できる具体的なメリットや各現場における設置費用の発注者負担に対する要望があった。整備局では、企業の負担が少なくなるシステムの活用により、費用の低減化を目指す意向を示した。

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