近く検討会設置へ 偕楽園の歴史的建物群復元(県都市整備課)

[2021/11/5 茨城版]
 県都市整備課は、偕楽園の魅力向上に向けて、歴史的建物群の復元に取り組んでいる。本年度はこれまでに文献資料から建物群復元についての検討を実施。ある程度の方向性が見えたことから、基本計画に着手する。先月には基本計画の業務を伊藤平左ェ門建築事務所(東京都新宿区)に委託。これを受けて、年度内にも文化庁関係者や学識経験者らで構成する検討委員会を設置する。検討委員会では、施設の規模や内容、工法、文化的価値、史実に基づいた検証などを行っていく。順調に行けば、来年度中にも歴史的建物群に対する整備の方向性が決定する見通しだ。

 この偕楽園魅力向上等推進事業は偕楽園が日本を代表する観光拠点になることを目的に、公園利用者のニーズを踏まえ、歴史的景観の復元などを行い、更なる魅力向上と誘客促進に取り組むものとなる。県都市整備課ではこの目的実現に向け、偕楽園魅力向上アクションプランを策定した。

 同計画では、目指すべき姿を「日本を代表する通年型観光地、県民の豊かな生活を体感させる公園」を掲げ、その実現に向けて▽偕楽園の思想の共感と継承▽エリアに共通したコンセプトによるトータルコーディネート▽ホスピタリティの提供▽魅せる風景&体験の場の提供──の4方策を盛り込んだ。

 この実現に向けて、本年度から歴史的建物群の復元とアクセス向上に取り組んでいる。このうち、歴史的建物群の復元については必要な機能として、▽好文亭以外の拠点づくり(研修会、イベント会場など)▽竹林のポテンシャルを活かした会場(食事会、コンサートなど)▽歴史的景観の復元▽表門側への誘導──を掲げる。

 このうち、復元を予定する建物は、過去に表門付近に存在した建物群となる。現在の表門付近には作業小屋とトイレのみが配置してある。しかし、1850年ごろに作成された偕楽園図によると、複数の建物が描かれている。そこで、県はこれらの建物群を復元し、偕楽園の魅力向上に取り組むこととした。なお、業務については、ウッドサークル(東京都中央区)が担当している。

 建物群の復元にあたって、本年度は手始めに基礎調査を実施。当時の文献資料を参考にしつつ、復元が可能かどうかの判断を進めている。ある程度の方向性が出てきたことから、このほど、基本計画に着手することになった。

 基本計画は県水戸土木事務所から「偕楽園公園、3国補公園第3-996-51号偕楽園整備基本計画策定業務」という業務名の指名競争入札で実施。先月22日に開札した結果、伊藤平左ェ門建築事務所が795万円で落札することになった。

 基本計画の策定の際には、学識経験者や県、水戸市の関係者で構成する検討委員会を設置する。その際には、オブザーバーとして、文化庁関係者も加わる。これは、偕楽園が土壌についても重要遺構に認定されており、大規模な掘削が制限されていることを受けての対応となる。そのため、歴史的建物の復元には、さまざまな角度から検討を行っていく。

 検討委員会設置後は、現地での試掘調査を行う。遺構などが発見できれば、そこから建物の規模やその他の情報が判明する可能性もあるという。あわせて、工法や文化的価値、史実に基づいた検証なども実施していく。検討期間は約1年程度を予定し、来年度中にも復元する施設の方向性を決定する。

 この歴史的建物群の復元とあわせて、同課では偕楽園へのアクセス向上についても進めている。本年度は分断解消に向けた基礎調査を行う。偕楽園内の人の動きを調査することで、どこに人が多く流れるのかなどを把握し、有効的な整備箇所や方法を決定していく。整備方法としては園路の改良のほか、標識の設置、勾配解消などのバリアフリー化、自転車走行への対応、電動モビリティの採用などを検討していく予定だ。

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