安井・柴JVを選定 新総合体育館の設計プロポ(常陸太田市)

[2021/11/17 茨城版]
 常陸太田市はこのほど、5月から進めていた新総合体育館整備基本設計業務に関する公募型プロポーザルで、最優秀者に安井建築設計事務所(東京都千代田区)と柴建築設計事務所(水戸市)の設計JVを選定した。今月中には契約を結ぶ運びだ。この事業では、建設地などの関係を受けて8月に基本計画の一部見直しを行い、配置計画やスケジュールなどを変更している。順調に進めば、23年度中に実施設計をまとめ、24年度の着工を目指す。

 プロポーザルの審査は2段階方式で行われ、8者が技術提案書を提出した。次点には桂設計が入った。

 安井建築設計事務所と柴建築設計事務所の提案は、体育館の諸室の配置についての考え方では、メインアリーナとサブアリーナ、エントランスを明確に配置し、各諸室への動線もシンプルで利用者の誰もが利用しやすい提案がなされているとした。外観も特徴的な形状とし、2階展望デッキでの開放的な空間など独自性のある提案となった。敷地の活用では、新総合体育館を中心に駐車場や多目的運動広場がバランスよく配置され、この事業の主旨を十分理解した提案だとして高く評価されたほか、今後の事業進捗にあたりきめ細やかな対応を期待できるとしている。

 この事業は、1977年に完成した現在の市民体育館(RC造2階建て、S造屋根、延べ2405平方m)の諸問題などから計画したもの。現施設では2012年度に耐震補強工事が行われているが、築後40年以上が経過したことによる老朽化や狭あい化、トイレや観覧席(現況212席)、駐車場の不足、バリアフリー化への対応などのほか、空調がなく夏場の使用にも支障があることなど多くの課題が指摘されていた。市民アンケートでは、約8割の市民が整備の必要性を指摘している。このような状況を受け、スポーツ施設整備計画に基づく新施設の整備計画を策定したあと、基本計画をまとめた。

 基本計画では、整備方針に、▽市民の誰もが利用でき、すべての人にやさしい体育館▽人が集い、交流拠点となる体育館▽トップレベルの大会等に対応する体育館──を掲げる。構造はRC造一部S造2階建て、総延べ面積は約6800平方m程度(スポーツ施設約4100平方m、附帯施設約2300平方m、その他400平方m)を想定。このうち1階の床面積は約5500平方mを見込むなど、必要面積は約8700平方m程度を見込む。

 内部のメインアリーナには、バスケットボール(28m×15m)2面を基本に1800平方m程度(47m×38m)とする。観覧席は、2階に1000席程度を確保するほか、メインアリーナへの可動式観覧席を合わせて、約2000席程度とする。このほか、サブアリーナや多目的ルーム、トレーニングルーム、附帯施設、大型ビジジョン、空調設備、バリアフリー機能などを設置する。防災機能では、隣接する源氏川が浸水想定区域となるため、風水害時の避難場所としての開設は困難としているが、地震時には避難所となるため、非常用電源や防災倉庫、耐震性貯水槽、屋外のマンホールトイレなどを検討していく。

 この基本設計は、本年5月にプロポーザルの手続きに着手し、当初は7月下旬にも最優秀者を決定する予定であった。しかし、基本計画で掲げた当初の建設予定地について、徳川ミュージアムの土地を一部活用し、運動広場西側にある芝広場と相撲場付近とした配置計画では、土地を賃貸借する場合に返却時の原状復帰が難しいと判断。配置計画を現市民体育館や駐車場、運動広場、芝広場などがある北側エリアへ見直し、具体的な建設予定地はプロポーザルの中で技術提案を受けることとした。

 配置計画の見直しにより、測量と設計を含む造成工事がなくなる一方で、外構工事が新たに必要となった。ただし、事業費は必要機能などを確保しながら当初計画の税込約46億円を基本に検討する。このほか、屋外運動施設として、グラウンド・ゴルフなどを楽しめる多目的運動広場やランニングコースを設置し、公園全体で市民が健康増進を図ることができる計画も加えている。

 基本設計は今月中にも契約を結ぶ予定で、委託限度額は4048万円としている。当初半年程度としていた策定期間については、基本設計が特に重要だとして約12カ月に延長した。その後、23年度中に実施設計をまとめ、当初計画から1年遅れの24年度から着工する。本体工事は24年度から26年度の3カ年、外構工事は25年度と26年度に実施し、工期短縮も検討しながら27年度までの供用開始を目指す。

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