田川で水門整備 主要事業 二本紀地区の樋管改築(下館河川)

[2022/4/13 茨城版]
 国土交通省下館河川事務所(海津義和所長)は、22年度の事業概要を明らかにした。事業費は前年度比7.9%増の51億5700万円となった。昨年9月に鬼怒川緊急対策プロジェクトが完了したものの、引き続き水害・土砂災害などから対策を図る流域治水事業による鬼怒川と小貝川の堤防整備などを進めていく。主なものでは、田川水門整備の推進するほか、樋管の改築・撤去工、小貝川7地区での堤防整備などを予定している。

 河川別の事業費では、緊急対策プロジェクトが完了した鬼怒川が前年度比6.3%減の26億3100万円、小貝川が同28.4%増の25億2600万円となった。事業別では、河川改修費に33億0100万円(鬼怒川17億3600万円、小貝川15億6500万円)、河川維持修繕費に17億6400万円(鬼怒川8億4500万円、小貝川9億1900万円)、河川工作物関連応急対策事業費7000万円(鬼怒川4000万円、小貝川3000万円)、総合水系環境整備事業費に2200万円(鬼怒川1000万円、小貝川1200万円)を確保。このうち、小貝川の河川改修費は前年度比49.9%増となっている。

 22年度事業では、引き続き▽氾濫を未然に防ぐための取り組み▽持続的な安全性の確保のための取り組み▽地域に元気を届けるための取り組み──を進める。このうち、氾濫を未然に防ぐための取り組みでは、鬼怒川で田川合流点の水門整備、下妻市二本紀地区の樋管改築などを行うほか、小貝川では取手市新川の樋管改築やつくばみらい市鬼長地区の樋管撤去、取手市中内など7カ所の堤防築堤を実施する。

 このうち、鬼怒川の支川である田川合流点での水門整備では、21年度に本体工事とゲート設備工事の2件が発注され、本体工事を東急建設(東京都渋谷区)、設備工事を日立造船(大阪府大阪市)がそれぞれ施工している。この工事は、田川沿川で浸水被害が過去何度も発生し、関東・東北豪雨でも床上・床下浸水あわせて213戸の家屋が浸水する被害が発生したことなどから計画されたもの。県による田川の堤防整備とあわせて田川合流点に水門を整備し、鬼怒川の水位上昇時の田川への流入を防止する。工期は24年度末ごろまでを予定し、本年度も引き続き工事を進めていく。

 鬼怒川ではこのほか、下妻市二本紀地区で引き続き二本紀揚水樋管改築(施工は谷原建設)を行うほか、守谷市大山新田地区で大山下排水樋管の改築工事に着手する。大山下排水樋管改築工事については、公募型指名競争入札により第1四半期の発注が予定されている。

 小貝川では、取手市新川地区の古八間排水樋管改築に着手するほか、つくばみらい市鬼長地区で道畑樋管撤去と堤防の嵩上げ工事を行う。鬼長地区の工事は、堤防の高さや幅が不足している区間の整備と老朽化した樋管の撤去を行うもので、第2四半期に公募型指名競争入札で発注する計画だ。小貝川ではこのほか、20年3月策定の小貝川河川整備計画に基づく堤防整備を進める。本年度は、右岸側が取手市中内地区(築堤L800m)、常総市水海道川又町地区(築堤L230m)、常総市東町地区(築堤L230m)、常総市本豊田地区(築堤L500m)の4地区、左岸側がつくばみらい市上平柳地区(築堤〔低水護岸〕L350m)、つくばみらい市長渡呂地区(築堤〔低水護岸〕L200m)、つくば市吉沼地区(築堤〔低水護岸〕L300m)の3地区予定している。

 このほか、鬼怒川と小貝川周辺では、地域に元気を届けるための取り組みとして、引き続き堤防整備にあわせたリバースポットや側帯などの整備を進める。鬼怒川と小貝川では、水辺へのアクセス拠点を「リバースポット」と位置付けて、河川管理用通路や河川改修に合わせたサイクリングロード整備と沿川自治体などによるリバースポット整備が進められている。鬼怒川では本年度、結城市と下妻市、常総市、守谷市、筑西市、つくばみらい市、八千代町の7市町による管理用通路整備やリバースポット基盤として側帯整備などを計画し、小貝川では、リバースポットの基盤整備へ側帯工事を進める計画だ。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.