今月下旬に公募 千波公園のパークPFI事業(水戸市)

[2022/4/15 茨城版]
 水戸市は千波公園のパークPFI事業について、4月下旬にも事業者の公募を開始する予定だ。公募の対象となる区域は、黄門像広場周辺地区の約1万7000平方mで、設置可能な建築面積の上限は5000平方mに設定した。順調にいけば、年度内にも事業者を決定し、基本協定を締結。23年度には設計をまとめ、実施協定の締結を行う。23年度末から着工し、24年度以降の開業を目指す。8日に開催した水戸市議会偕楽園・千波湖周辺整備等調査特別委員会で市が明らかにした。

 千波公園は、偕楽園公園とともにさらなる魅力の向上に向け、県との連携や官民連携により整備を進めている。整備にあたっては、16年度に策定した偕楽園公園(千波公園等)整備基本計画に基づき、市民の憩いの空間として、観光交流拠点として再整備を行う。

 再整備の際には事業手法にパークPFIを導入することを決定。民間活力の導入により、誰もが気軽に利用できる施設を整備し、来園者に更なる付加価値を与えることが出来るような賑わい創出拠点の形成を目指す。市では飲食・物販などの機能を有する複合施設の整備を想定している。

 この複合施設の整備に向けて市は19年にマーケットサウンディング調査を実施し、民間事業者の意向を把握していた。その際には多数の業者が参加し、意欲的な意見が多く出ていたという。しかし、その後、新型コロナウイルスの影響により、社会情勢が大きく変化。これを踏まえ、適正な公募時期を把握することなどを目的に、市では改めて21年度に市場調査を実施した。

 2回目の市場調査では、個別対話に4者が参加。主な提案内容は飲食施設や物販施設、屋根付きイベント広場、アウトドア関連、健康関連など。魅力向上としては、▽マルシェの定期開催▽スポーツイベントの誘致・開催▽既存の公園活動との連携▽屋根付きイベント広場を活用した雨天時のイベント開催──などが提案されたという。

 市場調査の結果、公募への参加意欲がある事業者が複数存在することが判明。これを受けて市では、千波公園のパークPFI事業の公募を開始することに決定した。

 公募の対象区域は千波公園の一部である黄門像広場周辺地区で、面積は約1万7000平方m。レイクサイドボウル跡地を含めた一体的な整備に優先的に取り組む。なお、設置可能な建築面積の合計の上限は5000平方mとなる。

 公募設置等計画の認定の有効期間は工事開始日から20年間に設定。また、市が負担する費用の上限額は税込1億円とする。以前の計画では、負担額は5000万円としていたが、負担額を増額することで、事業者へ歩み寄りを行った。

 公募対象公園施設の種類については、「千波公園が来園者にとって魅力的に感じられ、賑わい創出拠点となりうるような施設」と規定。具体的には、飲食・物販機能を有する施設や、千波公園利用者の利便性向上に関係する施設などを想定する。

 今後のスケジュールとしては、4月下旬にも公募を開始する。公募期間は4カ月程度を予定し、書類審査とプレゼンテーションを通して事業者を決定。その後、基本協定を締結し、設計に着手する。23年度中に設計をまとめ、実施協定を締結。23年度末からは着工となり、24年度以降の開業を予定している。

 市では千波公園の整備として、パークPFIの導入に加えて、機能向上施設や駐車場の整備などを進めている。実施計画によると、千波公園整備の事業費として22-23年度の2カ年で3億8000万円を計上した。本年度にはパークPFI事業者を選定するとともに、機能向上施設の調査・設計、駐車場整備工事を行う。23年度には機能向上施設とトイレなどの整備工事を実施していく見通しだ。

 このうち、機能向上施設については、公園利用者の利便性向上を目的とした施設を想定している。施設の機能や規模についてはこれから検討していくという。

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