幸久大橋で耐震化 主要事業 常陸太田東BP整備を推進(県常陸太田工事)

[2022/8/11 茨城版]
 県常陸太田工事事務所(木村政美所長)はこのほど、本年度の主要事業をまとめた。幹線道路の整備では、国道293号常陸太田東バイパスや常陸太田大子線、常陸太田市道0139号線などの整備を推進する。河川改修では、浅川と里川で堤防整備や河道掘削を行う。このほか、既設橋梁の耐震補強事業として、幸久大橋ほか1橋の耐震補強工事を実施していく。

 幹線道路整備事業のうち、国道293号常陸太田東バイパス整備事業(常陸太田市大森町~増井町地内)では、本年度に道路改良舗装工事や用地買収を行う。同線は県北地域を東西に横断して栃木方面につながる広域幹線道路であり、常陸太田市内から日立市などへの通勤ルートとしても重要な役割を担う道路。しかし、現道は市街地の中心部を横断し、幅員が狭く屈曲しており、市街地では朝夕の通勤時間帯を中心に交通渋滞が発生している状況にある。

 そこで、課題解決に向けて、常陸太田東バイパスの整備を進めている。全体計画は延長8990mで、総事業費は約214億円と試算。進捗率は21年度末で73.6%(進捗率は予算ベース、5630mで部分供用済)となる。なお、昨年8月末には長尾橋を含む440m区間を部分供用した。

 常陸太田大子線道路改良事業(常陸太田市天下野町地内)では、本年度に工事と用地取得を進める。同線は常陸太田市の旧水府地区を南北に縦断し、大子町方面を結ぶ幹線道路。緊急輸送道路であるとともに、沿線には県北地域を代表する観光地の竜神狭があり、観光客の利用も多い路線となる。同線ではこれまで、改良事業を進めてきたが、依然として狭あいな未改良区間が残っているほか、秋の紅葉時期には、竜神大吊橋入口交差点を中心に渋滞が発生している。

 そこで、18年度から竜神大吊橋入口交差点付近の640m区間の拡幅事業に着手。これまでに測量と設計、用地取得を進め、21年度から工事に着手した。全体計画は延長640mで、総事業費は約8億円に設定。進捗率は36%となっている。

 常陸太田市道0139号線整備事業(日立市金沢町~常陸太田市幡町地内)では、本年度に同事務所で道路改良工事や環境調査を行い、常陸太田市で用地買収を実施していく。同線は日立市と常陸太田市を結ぶ幹線道路として常陸太田市の「合併まちづくり計画(新市建設計画)」に位置付けられ、常陸太田市が事業主体となって整備を進めている。県は18年度から調査・設計と工事などの業務を市より受託し、技術的支援を行っている。全体計画は延長5110m。なお、21年度から現地工事に着手している。

 河川改修では、浅川総合流域防災事業(常陸太田市松栄町~大方町地先)で、本年度に堤防整備と河道掘削を実施していく。浅川は旧金砂郷町を流下し久慈川に流入する一級河川。このうち、副堰橋(常陸那珂港山方線)から浅川橋(国道293号)の区間では、安全性の確保や自然豊かな河川環境の形成などを目的に河川改修を進めている。全体計画は延長2600m、総事業費は22億6000万円と試算。進捗率は54%となる。

 里川災害関連事業(常陸太田市常福地町、茅根町)では、本年度に堤防整備と河道掘削を行う。里川は、旧里美村、旧常陸太田市を流下し、久慈川に流入する一級河川。このうち、常陸太田市常福地町と茅根町では、令和元年東日本台風によって、破堤や越水で家屋の浸水や護岸崩壊などの被害が発生。災害復旧事業による原形復旧のみでは、事業効果が限定されるため、災害関連事業により堤防整備や河道掘削で流下能力を向上させ、家屋浸水被害の解消を図る。全体計画は延長1300m、総事業は9億8600万円に設定。22年度中の完成を目指す。

 橋梁の耐震化事業では、既設橋梁の耐震補強を進めていく。本年度は幸久大橋ほか1橋の耐震補強工事を実施する。この事業は、地震時における救急活動や緊急物資の輸送などに重大な影響を与える橋梁のうち、緊急輸送道路で対策の必要な橋梁の耐震化を図るもの。なお、同事務所管内では、国道349号三才跨線橋など55橋が対象となる。進捗率は80%で、44橋の耐震補強工事が完了となっている。

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