土地改良区合併で調印式 県内では8年ぶり 基盤強化、負担軽減へ(両総・山武郡東部)

 両総土地改良区(森英介理事長)と山武郡東部土地改良区(古谷正之理事長)の合併予備契約調印式が24日、八鶴亭別館さくらホール(東金市東金1406)で開催された。県内での合併は8年ぶり。今後、総代会の議決や知事認可を経て、来年4月1日に合併が成立する予定だ。

 調印に先立ち、近藤裕之県山武農業事務所長があいさつ。これまでの経緯を語るとともに、関係者へ敬意を表した。また、国・県の農業を取り巻く環境が厳しいことにも触れ、「合併は山武地域の振興や基盤強化へ大きく貢献するだろう」と語った。

 あいさつに続き、同事務所の杉野宏次長が合併までの道のりを報告。その後、森英介両総土地改良区理事長、渡辺勝也山武郡東部土地改良区筆頭理事、志賀直温東金市長、椎名千収山武市長、佐藤晴彦横芝光町長、近藤裕之県山武農業事務所長の6人よって合併予備契約書に調印された。

 調印後、森理事長は喜びの気持ちを出席者に伝えるとともに、「合併そのものが目的ではなく、組合員の負担を軽減することが重要。これからも国・県との連携を強化し、新しい時代に対応できる土地改良区を目指していく」と抱負を語った。

 また、永妻能成県農林水産部長代理の鈴木大作次長、播磨宗治両総農業水利事業所長、志賀市長もあいさつに立ち、「合併は地域農業の発展や適切な維持管理にとって重要な役割を担う。風通しのよい組織を構築し、チーム力を持って様々な課題を乗り越えてほしい」と述べ、祝辞に代えた。

 土地改良区は、一定の地区内で土地改良事業を進める公共性を持った法人。土地改良法に基づき、知事認可を受けて設立する。組合員(事業地区内の農家)によって組織され、運営は役員(理事、監事)が担当。総会または総代会において組合員の意思を決定する。

 昨年3月31日現在、全国には4943の土地改良区数地区(組合員数375万5481人)が存在し、地区面積は国土の約7%にあたる265万8505haとなっている。

 現存資料による県内土地改良区数の推移を見ると、ピークは昭和55年度の294地区。その後は減少傾向が続き、平成に入ると2年度末の265地区が最も多くなっている。

 この約20年間は、設立が13地区、合併によるマイナスが6地区(9↓3)、解散が56地区となり、今年8月末現在では216地区(12万9916人)となった。地区面積は県土の約17%にあたる8万6787haを有している。

 両総土地改良区と山武郡東部土地改良区の合併は、組合員が重複していることや農業情勢が厳しいことを踏まえ、改良区の組織運営基盤強化や組合員の負担軽減を目的にしたもの。県内での合併は、平成16年度に夷隅郡岬町の4つの土地改良区(夷隅郡岬町桑田、夷隅郡岬町榎沢、夷隅郡太東第1、夷隅郡岬町谷上)が合併して以来、8年ぶりになる。

 合併に向けては、22年10月8日に「両総土地改良区・山武郡東部土地改良区統合整備推進協議会」を設立。県山武農業事務所長が会長に就き、両総土地改良区理事長、山武郡東部土地改良区理事長、東金市長、横芝光町長、山武市長、千葉県土地改良事業団体連合会長が委員に就任。参与として県農林水産部農村環境整備課土地改良団体室長を迎えた。

 第1回目の会合では、統合整備推進に関する活動計画を協議。その後、今年2月21日に開いた第2回協議会で、統合整備計画を協議。先月3日の第3回協議会で、統合整備計画・合併予備契約書(案)を承認した。

 両総土地改良区(所在地:東金市東金1163)は、昭和27年7月5日に設立。地区面積は1万7648ha、組合員数は2万1343人。役員数は25人で、51人の職員が働いている。

 一方の山武郡東部土地改良区は、横芝光町横芝1454-1地先に位置し、昭和\連文字(26年)12月18日に設立。地区面積1993haを融資、組合員数2406人、役員数15人、職員数4人となっている。

 合併は、受益面積で県内最大(全国第8位)の両総土地改良区が山武郡東部土地改良区の事業をすべて承継する吸収合併で合意。そのため、来年4月1日(予定)移行は、事務所を両総土地改良区(所在地:東金市東金1163)に置き、地区面積1万7648ha、組合員数2万1343人、役員数25人、職員数51人でスタート。両総土地改良区内に併存していた山武郡東部土地改良区を吸収するため、地区面積や組合員数に変化はない。

 両総土地改良区の事業地区は、県北東部に位置する香取市、匝瑳市、東金市、茂原市ほか1市7町1村に跨り、一級河川利根川、二級河川栗山川沿岸、九十九里平野に展開する農業地帯。現在、昭和18年に着工して昭和40年に完成した両総用水事業の効果により、受益地内のほ場も概ね整備され、大型機械化によって営農されている。

 また、国営幹線施設を更新するため、平成5年度から国営両総土地改良事業を実施している。

 両総用水の基幹施設は、大半の施設が建築以来30年以上経っていることから施設全体が老朽化して損傷が激しく、ひび割れなどによる水漏れ事故の発生や、災害時等に用水が送れなくなることが懸念されている。

 平成5年度には、国が地元の強い要望を受け、緊急を特に要する施設を対象とした施設更新事業を実施。残った施設についても全体的に更新することにして、平成10年に事業計画を変更した。

 また、昭和52年には、旧佐原市から栗山川までの区間は九十九里平野地域や南総地域に水道用水や工業用水を送る「房総導水路事業」との共同利用を開始。現在、老朽化した施設を現地で改修する事業が進められているほか、第3揚水機場から九十九里平野の海岸近くにも水を送れるように南部幹線と九十九里浜の中間付近に東部幹線を新設する計画が勧められている。

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