基本設計の最終案提示 いわしの交流C 本体工は2四半期に(九十九里町)

 いわしの交流センター(仮称)の建設計画を進めている山武郡九十九里町は22日、建設推進委員会の第4回会合を同町中央公民館で開いた。これまでの検討結果を踏まえ、榎本建築設計事務所(千葉市中央区長洲2-8-5)がまとめた基本設計の最終案や整備スケジュールが示され、建物はS造2階建て延べ1348平方mの規模。今後は、詳細設計を年度内にまとめ、新年度の第1四半期に敷地の造成工、第2四半期に建物本体の建設工を発注する。

 片貝漁港後背地環境拠点施設整備事業として進められている「いわしの交流センター」は、「食と文化の体験および地域の情報発信」をコンセプトとし、漁港の立地特性を活かしつつ観光情報の発信や飲食物販売、体験学習博物館などの機能を持たせた観光拠点施設として計画。文化展示施設(いわし博物館)の整備も一体とする。施設の愛称については、広く一般から公募して決定する考えだ。

 建設地は小関字浜芝2398-98他の片貝漁港後背地で、敷地面積は6359.71平方m。国有地となっていたが、今年度の6月補正予算で用地費を計上し、同町が既に取得した。

 施設全体の基本設計は、23年11月17日に指名型プロポーザルによる事業者選定手続きを開始。[1]片貝漁港という立地条件を生かした建設計画[2]地域の特色を現しつつ、災害時の対応など将来を見据えた柔軟性のある建設計画[3]地域の特性にあった施設の運営主体および形態について[4]コストの縮減方策について[5]その他──の5項目で評価し、榎本建築設計事務所に委託した。

 同社がまとめた基本設計の最終案では、建物はS造2階建て延べ1348平方mの規模で計画。当初は木造平屋構造などを検討していたが、同委員会での議論を踏まえて防災面などに配慮。2階建て構造に変更している。また、床面積は1階、2階ともに674平方mとなっている。

 建物の内部は、1階に農水産物や惣菜、加工品などの直販機能(269.5平方m)、展示室(203平方m)、事務室(27平方m)、トイレ\連文字((80).5平方m)などを配置。2階は、会議室や研修室としての機能も兼ねる地産地消食体験コーナー(406.8平方m)、トイレ(60.2平方m)などを予定している。

 このうち展示室は、16年に発生した爆発事故により休館中のいわし博物館(片貝2915)を代替する施設として計画。室町時代より続くとされる同町の「いわし文化」を後世に伝えていく施設として、漁具や魚網、漁民の使用した日常品などを展示するとともに、いわしを食生活面から見直す学習の場を目指す。

 今後の建設スケジュールを見ると、すでに詳細設計には着手しており、今年度内にまとめる考え。5月頃に敷地の造成工(盛土、排水、L型擁壁工)を発注。8月頃には杭基礎工事に着手する。建物の本体工事は、9月頃の発注を予定しており、町議会9月定例会で請負契約への同意を求める。建物本体工事の工期は、機械・電気設備工事も含めて5~6ヵ月間程度を見込んでおり、26年3月上旬の完成を目指す。

 事業費については、本体工事費として2億4800万円、駐車場等を含めた外構工事費として3400万円、盛土など造成工事費として4000万円を見込んでおり、新年度当初予算に盛り込む方針。このほか、アクセス道路として整備する町道4123号、同4112号の整備費用として、4100万円を予定している。

 この日の会合では、施設の運営方法について、指定管理者方式とする方針も示された。業務内容は、[1]施設の運営に関する総括的業務[2]施設利用に関する業務[3]物販等に関する業務[4]維持管理業務[5]企画提案事業に関する業務──となっており、委託期間は5ヵ年程度を予定している。

 指定管理者の選定にあたっては、来月下旬に公募型プロポーザル方式による事業者選定手続きの実施を公告。5月31日~6月28日までの期間で申請書類を受け付け、7月下旬にも候補者を特定する予定だ。応募資格は、同町内に事業所を有する法人や同町を活動拠点としているグループ。または、指定管理者として受託した場合に同町内に事業所を開設することが条件となっている。

 敷地内には、同センターの建設に先駆けて津波避難タワーの建設が進められている。設計は榎本建築設計事務所、建設工は浅岡建設(九十九里町真亀1007)が担当。当初はランドマーク的な性格を兼ねた施設を想定していたが、津波からの避難を重視して防災性の強いものとしている。

 タワーの高さは14.75m、最上部の避難スペースは200平方mの規模。最大200人を収容可能で、食料、飲料水などを備蓄する倉庫も併設する考えだ。

 整備財源は、総務省の設けた緊急防災・減災事業債の制度を活用。9月補正予算に、設計監理委託料352万5000円、建設工事費4778万5000円を計上しており、今年度内の完成を目指している。

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