施工者の選定に着手 来年4月着工へ 数社と見積り 商業施設「内湾スロー村」(気仙沼地域開発)

[2016/9/6 宮城版]
 気仙沼地域開発(気仙沼市、菅原昭彦代表取締役社長)は、同市内湾地区の土地区画整理事業地内に商業エリア「内湾スロー村」(仮称)の整備を計画しており、補助金の活用をにらみ、すでに数社から見積りを取り、絞り込みを始めている。新築する建物は防潮堤と一体化したウォーターフロント施設などで、防潮堤工事の進捗にもよるが、来年4月ごろの着工、30年3月の完成を予定する。

 内湾スロー村は、海を見ながら食事や買い物が楽しめるウォーターフロント施設のほか、スローフードマーケット、スローストリート、屋台ストリートなどの店舗での形成を予定する。

 ウォーターフロント施設は、木造2階建てを構想しており、大島汽船のフェリーが発着している南町海岸に建てる。1階が防潮堤の背面、2階がデッキテラスとともに防潮堤の上に乗る形となる。防潮堤の前面は傾斜緑地にし、湾沿いの海岸公園や桟橋に下りて行けるようにする。

 構想では、1階が主に駐車スペースで、2階に飲食店や物産店などを誘致する。2階の店舗区画は当初段階で60~140平方mの4区画を用意しているが、出店者の希望を聞いて調整し、区画を最終決定する。

 ウォーターフロント施設から道路を挟んだ西側には、約800平方mのスローフードマーケット、7区画のスローストリート店舗、12区画の屋台ストリート店舗を配置するイメージ。6月時点ではストリートの店舗が1区画あたり約40~70平方m、屋台が同17平方mとしていたが、希望に応じて面積や区画数を変更する可能性がある。

 出店者については、これまでに市内事業者だけでなく、県外事業者も含めて募集し、現時点で12~13件の希望が寄せられている状況。希望業種は飲食店や物販店などで、ヨガ体操を行うアクティビティ系の希望もあるという。

 内湾スロー村全体の店舗数は25~26店を予定するが、希望に応じて店舗スペースを変更するため、流動的だ。10月末までには出店者を決定する見通し。

 気仙沼地域開発は、市域の観光・商業の活性化を目指し、8年に気仙沼商工会議所が中心となって設立した株式会社。菅原社長は同会議所の会頭も務めている。

 震災後は物産販売などを手掛けてきた。内湾スロー村では、スローフード都市の実現を目標に掲げ、地域固有の文化や風土を生かす都市として、気仙沼の食を楽しめるレストランの誘致や、木質バイオマスの積極活用、まち全体の震災ミュージアム化などに取り組む。

内湾スロー村の整備イメージ

内湾スロー村の整備イメージ

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