精神医療Cの移転再検討 がんセンター西側は断念 1万6000平方mで構想

[2016/10/22 宮城版]
 県議会の常任委員会が21日に開かれた。保健福祉委員会では、県立病院機構(本部・名取市)が県立精神医療センター(名取市手倉田字山無番地)の移転地を再検討することが報告された。県立病院機構は今後、県立がんセンター(名取市愛島塩手字野田山47─1)との連携を踏まえて、精神医療センターの新たな移転先を検討していく。30年度の開院を目指していた精神医療センターの移転事業は、数年遅れる見込み。

 県保健福祉部の説明によると、県立病院機構はがんセンターの西側山林約6万平方mを取得し、老朽化や狭あい化が進む精神医療センターを移転新築する方針だった。これまで住民説明会を開いて地域との合意形成を図ってきたが、地権者との用地取得交渉が難航。一部地権者と土地の売買価格で折り合わず、9月に開いた県立病院機構の理事会で同地への移転断念を決定した。

 精神医療センターは昭和32年に精神科、神経科を有する県立名取病院として開院。県内精神医療の基幹病院として診療を行っている。今後、高度医療への対応を図る上で、がんセンターと連携できるよう隣接地への移転新築を計画した。

 県立病院機構は移転先の再検討でも、精神医療センターとがんセンターの連携を考慮する方針。がんセンター周辺の土地を対象に、候補地選定を進めていく。当初、取得を見込んだ6万平方m程度の広さになるかどうかは、現段階では未定。

 計画によると、新しい精神医療センターは既存施設より延べ面積で約1000平方m広いRC造3階建て延べ1万6000平方m規模で建て替える方針。施設は本館や病棟、体育館などで構成し、スーパー救急病床や総合治療病床など220床を備える。すでに基本・実施設計業務を、共同建築設計事務所(東北支社、仙台市青葉区)がまとめている。当初予定したがんセンター西側の山林についても、土木設計業務を復建技術コンサルタント(仙台市青葉区)がまとめている。

 基本計画では、本年度から造成工事を進め、30年度中の完成・開院を目指していた。移転地を再検討することになり、開院時期は数年遅れる見込みだ。

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