地元企業の最大活用を 国直轄事務所と意見交換(千葉県建設業協会)

[2017/1/27 千葉版]
 千葉県建設業協会(畔蒜毅会長)は26日、国土交通省関東地方整備局(大西亘局長)の本県内にある出先の5直轄事務所と、千葉市中央区のオークラ千葉ホテルで意見交換会を開いた。事務所側から各施策の取り組み状況について情報提供を受けた後、協会側から現場対応などについて意見・要望が出されるなどし、地域の実情を考慮した施策の推進を訴えた。

 この意見交換会は、昨年7月28日に開催された関東地方整備局との意見交換会で出された要望などについて、県内にある直轄の出先事務所(千葉国道、利根川下流河川、江戸川河川、首都国道、常総国道)の所長らが直に話を聞き、より現場に密着した視点で課題解決へ取り組む目的で開催されている。

 開催は例年秋~冬季で、業界と国が一体となり、県内建設業者の受注機会の確保や入札・契約手続き制度、現場管理、工種・工程など各段階での問題など、発注者と受注者双方が抱える諸問題の改善に向けて意見を交換。28年度は当初、昨年11月の開催予定だったが、当日の降雪対応により延期となっていた。

 会冒頭には千葉国道事務所の八尾光洋所長が代表してあいさつ。整備局が進める担い手確保・育成などを目的とする地域インフラサポートプランへの理解を求めた上で「i-Constructionなどすぐには導入しにくい課題も少しずつ改善していきたい」と抱負を述べた。

 八尾所長はさらに、新名神高速道路や福岡の道路陥没など大きな事故があった昨年を振り返り、これらの防止へ協会側に協力を求めたのに加え、雪の時季であることも踏まえ、予期せぬ自然災害への継続対応も要請した。

 これを受けて畔蒜会長もあいさつ。昨年来の不順な天候や相次ぐ自然災害に加え、先行き不透明な経済情勢に懸念を示しながらも、米国のトランプ新大統領が選挙戦における勝利宣言の中で、同国のインフラ立て直しに何百万の人に建設業に就いてもらうと語ったことを引き合いに「わが国でもこれには歩調を合わせて進めてもらいたい」と抱負を述べた。

 畔蒜会長は「地方経済の活性化には地域で発注される公共事業が不可欠」との考えを示し、年度末に向けて一層計画的な工事発注への配慮を求めるとともに、新年度に今年度以上の公共事業予算が盛り込まれるよう要望を強化することも示しながら、直轄事務所にも地元企業の最大限の活用を訴えていた。

 続く議事ではまず、直轄事務所側が▽地域インフラサポートプラン関東2016▽整備局管内工事事故発生状況▽整備局管内直轄工事の直轄工事における盗難被害状況▽建設業団体との意見交換会の主な意見──について同協会に情報提供した。

 その後、協会側から▽公共事業予算の安定的・持続的な確保▽改正品確法の遵守徹底▽担い手の確保と人材の育成▽入契制度・積算▽現場対応等▽社会保険未加入対策──の6つを主なテーマに要望があり、この中で地域未着型工事の拡大を求めれば、直轄事務所側も取り組み状況を具体的な数字で示すなどこれに答えるなどしていた。

 当日は自由発言の場も設けられ、設計変更や提出書類の作成、社会保険の未加入などに伴って生じた実際の問題やその改善要望に加え、現場からの生の声などが届けられると、直轄事務所側からもその改善策や、一方で対応が困難な実情に理解を協会側へ求めるなど、互いに腹蔵のない意見交換となった。

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