地域振興策で基本計画 処理施設整備に伴いプロポ(印西環境組合)

[2017/3/11 千葉版]
 吉田資源循環センター(仮称、次期中間処理施設)の整備を計画する印西地区環境整備事業組合は、印西市吉田区への整備に伴う地域振興策の基本計画策定業務を委託するため10日、公募型プロポーザルの実施を公告した。参加申し込みは4月14日まで受け付ける。履行期限は30年3月末、提案限度額には1700万円(税抜き)をそれぞれ設定。5月中旬に予定している2次評価では、一般にも公開するヒアリングも実施する方針だ。

5月中旬に公開ヒアリング

 プロポーザルへの参加資格は、19年度以降に同種業務(公共施設を対象とした事業導入可能性調査、基本構想、基本計画、管理運営計画など)の元請実績があることなどとしている。

 最優秀提案者の特定に当たって同組合では、職員で構成する選定委員会を設置。1次評価となる書類審査では▽見積書(5点)▽業務の実施体制(10点)▽テーマ1・業務の実施方針(15点)▽テーマ2・各種選択決定の際の留意点(25点)▽テーマ3・明確化すべき事項(25点)──の計80点で審査。2次評価の公開ヒアリングは20点を配点し、計100点満点で審査する。

 地域振興策の策定に向けてはこれまでに、次期中間処理施設の整備と併せ「施設整備基本計画検討委員会」と「地域振興策検討委員会」を27年2月に設置。両委の運営の総合的な支援に加え、環境影響評価(環境アセスメント)で必要となる基礎条件の整理などのため、公募型プロポーザルで選定したエックス都市研究所(東京都豊島区)に基本計画などの策定を委託するなどしていた。

 同社が併せてまとめた地域振興策の基本構想の中に盛り込まれた「地域まるごとフィールドミュージアム構想」では、用地取得費4億9500万円のほか▽インフラ整備(5億6030万円)▽多機能な複合施設(20億4230万円)▽排熱利用事業等(2億7690万円)▽里地里山の保全と活動(650万円)──を内訳とし、合計限度額に33億8100万円を予定している。

 先にパブリックコメントを実施するなどした吉田区との整備協定書案では、今後同区との協議により実際に整備する各施設を決めていくとしており、このうち多機能な複合施設の例として、温泉施設や市民農園、キャンプ場、農産物直売所などがイメージとして挙げられている。

 今後のスケジュールを見ると、29年度は地域振興策基本計画の策定に加え、用地買収や地質調査に着手するほか、整備基本計画の追加策定、アクセス道路・地区外水路のルート検討をスタート。30年度半ばには基本設計と環境アセスメントに着手する。34年度からは都市計画決定手続きを進め、36年度にはDBO方式によって選定された事業者により、実施設計や建設工事などを始めるとしている。

 施設整備基本計画によると、40年度の稼働を目指す吉田資源循環センターの焼却施設は処理能力に1日156t、資源化施設は同15tを規模として想定。処理方式はストーカ式の焼却炉を採用するとした。発生した熱は発電に充てるほか、熱交換器により給湯や地域振興策に利用することにしており、振興策を合わせた概算整備費に168億1760万円を見込んでいる。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.