北千葉道路 II期の整備手法検討へ(千葉県)

[2017/6/21 千葉版]
 県北千葉道路建設事務所は30日の指名競争入札で、II期区間段階整備設計業務を委託する。29年に工事着手した土屋橋(仮称)など橋梁や函渠の構造物が計画されている区間を対象に、早期の整備に向けた手法などを検討する。I期区間の一部と同様の暫定2車線(将来計画4車線)での整備も視野に入れながら、整備手法のほか完成目標年次なども固めていく方針だ。

 II期として整備を計画している区間は、成田市押畑から大山地先までの3・7km。ルート上には押畑地先から東に▽土屋橋▽下金山橋▽関戸本線函渠▽取香川橋▽国道51号横断橋──の構造物(いずれも仮称)が設置される予定。幅員はいずれも17・25m(4車線)。

 このうち土屋橋については、3月15日に開札した一般競争入札(総合評価方式)で、本線P3橋脚を竹内建設に発注(落札額2億8000万円)。30年3月23日までの工期で、張出式橋脚1基を鋼管ソイルセメント杭工法で施工する。

 また、6月6日には本線A1橋台の社会資本総合交付金工事について、一般競争入札(総合評価方式)の実施を公告。7月14日に開札して工事を発注し、杭基礎工法(鋼管杭)により逆T式橋台1基を220日間の工期で施工する予定。

 同市土屋地先で国道408号とJR成田線をオーバーパスするもので、橋長約290mの鋼7径間連続非合成少数鈑桁橋。予備設計は、パシフィックコンサルタンツ(東京都多摩市)が担当。詳細設計は4件に分割し、いであ(東京都世田谷区)、ウエスコ(岡山市北区)、協和コンサルタンツ(東京都渋谷区)、ジーアンドエスエンジニアリング(福岡市博多区)に委託して完了させている。

 下金山橋は、同市下金山地先で根木名川を渡河する計画。橋長は約680mで、鋼7径間少数主桁橋+鋼連続4径間細幅箱桁橋+鋼4径間少数主桁橋。予備設計を千代田コンサルタント(東京都北区)、詳細設計を建設技術研究所(千葉事務所・千葉市中央区)でまとめた。

 関戸本線函渠は、県道成田下総線とJR成田線が交差する個所付近の成田市関戸地先で、延長約130mで計画。現況はJR成田線の下を県道が走っており、その地下に函渠(ボックスカルバート)を埋設する計画。トンネルの予備設計を千代田コンサルタントが担当。詳細設計には未着手で、具体的な委託時期は未定。

 取香川橋は成田市東金山地先に新設を計画するもので、予備設計を国際航業(東京都千代田区)、詳細設計をパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)に委託。2連の鋼4径間連続非合成細幅箱桁橋で、橋長は上りが約225m、下りが217m。

 国道51号横断橋は、同市山之作地先で国道51号をオーバーパスする跨道橋。橋長約56mで、鋼単純合成細幅箱桁橋。新構造技術(東京都江東区亀戸1-8-7)で予備設計、エース(京都市下京区)で詳細設計を完了させた。

 北千葉道路は、首都圏東側の高速道路ネットワークを構成する常磐道と東関東道水戸線のほぼ中間に位置し、29年度開通予定の外環道から千葉ニュータウンを経て、成田国際空港までを最短で結ぶ、延長約43kmの幹線道路。

 県では印西市若萩から成田市北須賀までの4・2kmをI期区間として、成田市押畑から大山までの3・7kmをII期区間として、それぞれ整備を進めており、両区間の中間に位置する成田市北須賀から押畑までの5・6kmについては、直轄権限代行事業として、国が整備を実施している。

 I期区間については、早期に整備効果を発現させるため、完成4車線のうち、下り線の2車線部を先行整備しており、印西市若萩から吉高間は4車線で、吉高から北須賀間は暫定2車線で整備し、29年2月19日に供用開始している。

 II期区間については、用地取得を進めるとともに取得した用地の埋蔵文化財調査を実施しており、28年度末時点の用地取得率は約90%となっており、29年度から橋梁工事に着手する予定としている。

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