地価調査 全用途で引き続き上昇 商業地はアップ幅が拡大(千葉県)

[2017/9/20 千葉版]
 千葉県土整備部用地課は20日付で、29年7月1日を基準日として実施した28年地価調査結果を発表した。それによると、28年7月以降の1年間の本県の地価は、対前年平均変動率が住宅地は27年以来横ばいが続く一方、商業地は上昇幅が拡大し、工業地と全用途平均は引き続き上昇という結果となった。県全域の継続調査地点(林地を除く)815地点のうち、280地点が上昇となり、250地点が横ばい。285地点で下落している。

 調査対象区域は県内59市区町村の全域で、調査地点は住宅地677、商業地125、工業地22、林地11の計835地点。このうち、新設地点は住宅地1、商業地2、工業地2の計5地点、選定替地点は住宅地2、商業地2の計4地点となっている。

 地価調査は、国土利用計画法施行令第9条の規定により、都道府県知事が毎年1回基準地の標準価格を調査し、その結果を公表するもの。国が行う地価公示(地価公示法第2条の規定により毎年1回、1月1日時点の標準地の正常な価格を調査し公示)と併せて、一般の土地取引価格に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の取得価格算定の基準とされる。また、国土利用計画法に基づく土地取引の規制における土地価格算定の基準とされるなど、適正な地価の形成に寄与することを目的としている。

 地価調査価格は、基準地の1平方m当たり(林地は10a当たり)の標準価格(売り手・買い手双方に売り急ぎ、買い進み等の特殊な事情がない取引で成立すると認められる価格で、売り手にも買い手にも偏らない客観的な価格を表したもの)で、建物や使用・収益を制限する権利がない、土地のみ(更地)の価格としている。

 今回の地価の全般的な動向をみると、平均変動率は、商業地・工業地・全用途平均ともに前年に引き続き上昇し、住宅地は27年から横ばいである(全用途29年0.2%、28年0.2%、27年0.2%)。

 住宅地については、県内の調査対象59市区町村の平均変動率が上昇22市区町村(前年19)、横ばい2市区町村(同5)、下落35市区町(同35)となっている。

 沿線市区町村別では、総武線・京成線・東西線沿線の浦安市~千葉市(若葉区、緑区を除く4区)、内房線沿線で東京湾アクアライン結節部に当たる袖ケ浦市~君津市、常磐線・つくばエクスプレス線・北総線沿線の松戸市、流山市、鎌ケ谷市に加え、建設が進む首都圏中央連絡自動車道(圏央道)沿線の成田市、富里市、東金市、大網白里市、茂原市、長南町、市原市が上昇した。このうち最も上昇率が大きいのは、君津市の2・8%(同2・4%)。

 商業地の平均変動率は1.2%と、前年の0.8%から引き続き上昇した。県内の調査対象50市区町(選定替の一宮町を除く)の平均変動率は、上昇24市区町(同22)、横ばい9市区町(同10)、下落17市町(同19)。

 沿線別にみると、総武線・京葉線・東西線沿線の浦安市~千葉市(緑区、若葉区を除く4区)、内房線沿線で東京湾アクアライン結節部にあたる袖ケ浦市~君津市、常磐線・つくばエクスプレス線・北総線・京成線沿線の松戸市、柏市、我孫子市、流山市、鎌ケ谷市、八千代市、圏央道沿線の成田市、酒々井町、富里市、東金市、大網白里市、市原市で上昇。最も上昇率が大きいのは、鎌ケ谷市の6.0%(同6.0%)。

 工業地の平均変動率は1.9%と、前年の2.8%から上昇幅は鈍化した。県内の調査対象16市区町の平均変動率は、上昇8市区(同7)、横ばい8市区町(同6)、下落0市(同1)となっている。最も上昇率が大きいのは、野田市の12・3%(新規地点のため前年の変動率はなし)。

 林地の平均変動率はマイナス0.6%と、前年のマイナス0.6%同様引き続き下落した。上昇はなく、横ばいが1市(同0)、下落が10市町(同11)となっている。

 県全域の継続調査地点(林地を除く)815地点について、地域別でみると、東京圏東京近接地域(千葉市6区、市川市、船橋市、松戸市、習志野市、柏市、流山市、八千代市、浦安市)は、上昇179、横ばい104、下落57地点。東京圏その他地域(木更津市、野田市、成田市、佐倉市、市原市、我孫子市、鎌ケ谷市、君津市、富津市、四街道市、袖ケ浦市、印西市、白井市、富里市、酒々井町、栄町)は、上昇87、横ばい62、下落90地点。

 地方圏(東京圏東京近接地域、東京圏その他地域を除く29市町村)は、上昇14、横ばい84、下落138地点。県全体では上昇280、横ばい250、下落285地点となっている。

 用途別の平均価格をみると、29年は1平方m当たり住宅地が7万2500円、商業地が22万0200円、工業地が4万4100円、全用途平均では9万4100円となっている。市区町村別に住宅地の価格についてみると、1位は浦安市の27万4300円、2位は市川市の20万6000円、3位は習志野市の16万6600円。基準地別の1位は市川-13(八幡1丁目)の35万8000円となっている。

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