中期財政計画 普通建設費、3カ年511億円(千葉県市川市)

[2017/10/20 千葉版]
 市川市財政課は、30年度の予算編成方針を各担当部局に通達するとともに、その内容を明らかにした。併せて編成に当たって注力すべき重点施策や予算編成のスケジュール、今後3カ年の中期財政計画も公表しており、このうち中期財政計画では、30~32年の普通建設事業費に計511億円余を見込んでいるとした。30年度からは2カ年で塩浜学園の建て替え事業などに着手する見込みだ。

 29年度当初予算での普通建設事業費は約163億円。一方で29年度の決算見込みでは約229億円となっており、この66億円余の増額は、新第2庁舎や北市川スポーツパークの整備の繰越分によるものが大きいという。

 3カ年・511億円の内訳は、30年度が185億円、31年度が188億円、32年度が138億円。30、31年度の増額は新第1庁舎や塩浜学園で事業が進む見込みであることが大きい。

 このうち塩浜学園は、RC造4階建て延べ7300平方m程度の構造・規模の校舎と、RC造2階建て延べ2000平方mの屋内運動場の新設などを計画しており、設計を桑田建築設計事務所(千葉市美浜区)が29年度末を履行期限に成果をまとめている。

 30年度の重点施策をみると、[1]安心なまち[2]快適なまち[3]活力のあるまち──を大きな柱とし、[1]安心なまちでは、大規模な災害に備えた地域防災力の強化や防災用品の確保など防災・防犯のまちづくりの推進、大雨などによる被害を最小限にとどめるための治水対策、良好な住環境の整備、喫緊の課題である待機児童対策、教育環境の整備・充実を図っていく。

 [2]快適なまちに向けては、住み心地の良い快適で潤いのあるまちづくり、下水道や蓋掛歩道、新庁舎を含めた公共施設など都市基盤の計画的な整備、都市計画道路の整備、道路の安全性の向上、廃棄物の適正処理と3R、スポーツ環境の充実に重点を置く。

 [3]活力のあるまちでもまた、JR武蔵野線沿線の新たなまちづくりと、行徳臨海部での地域特性を生かしたまちづくりなどに加え、地域コミュニティの活性化を図っていくとした。

 30年度の予算編成方針では、新第1庁舎や塩浜学園などの整備に加え、毎年度20億円を超える伸びが見込まれる扶助費など社会保障関係経費により、30年度以降の歳出予算規模は1500億円台に増加すると推計。30年度においては予算要求段階で、50億円以上の歳出超過になることが見込まれているとした。

 当初予算の編成に当たっては、財政調整基金の繰り入れに頼らずに収支の均衡を図ることを目標に掲げ、既存事業は全てゼロベースで見直すことを求め、事業を実施する必要性から再検討。民間企業が多く参入してきた分野については、民営化や事業の廃止を進めるのは「当然」だとした。

 長期保全や統廃合など個別計画の策定が進められている公共施設の整備費用は、安全確保の必要性と緊急性があるとともに、個別計画で将来の建替や改修の時期と整合性のあるものについてのみ予算要求することとした。

 今後のスケジュールをみると、各担当部局の見積について、今月下旬から財政課との調整に着手。11月中旬には要求状況を公表する予定で、その後も財政部による査定を進め、30年1月上旬には財政部長による査定状況を公表。同下旬までには当初予算案が確定する見通しとなっている。

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