成田空港駅ホーム上に多機能トイレ(JR、京成ら)

[2017/11/28 千葉版]
 東日本旅客鉄道(JR東日本)千葉支社、京成電鉄、成田国際空港、成田空港高速鉄道の主要関係4社で構成する「魅力ある成田空港駅への変身プロジェクト推進委員会」は、成田空港駅と空港第2ビル駅について「実施すべき事項」の進ちょく状況の中間とりまとめを明らかにした。32年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、駅施設の改良・改修を図るため、空港第2ビル駅に残る二重改札の解消に加え、ホームドアの整備やホーム上への多機能トイレの設置などを検討中だとしている。

 同推進委は、主要関係4社に加え、国土交通省と千葉県、成田市ら関係行政機関(必要に応じて県警本部も)をオブザーバーに迎えて28年8月に発足したもの。発足に先立つ同6月には、先に設置された「魅力ある成田空港駅への変身プロジェクト検討委員会」(同メンバー)が「実施すべき事項」をまとめていた。

 空港第2ビル駅では、JRの利用客がJR側の改札を通過後に京成側改札の通過を余儀なくされていたが、現在入口専用になっている改札を回収することで双方向の通行を可能にする考え。31年度中の供用を予定する。

 成田空港駅と空港第2ビル駅両駅については、国内外からの利用客の大きな荷物のホームからの転落や列車との接触を防ぐ、また移動制約者やベビーカーの転落・接触を防ぐことを目的に、ホームドアの整備を検討していくとした。

 空港第2ビル駅についてはまた、ホーム上に多機能トイレの新設も検討する。現況のホーム上のトイレは、平成4年の同駅開業時に設置されたもので、入口に4段、約1mの段差があることから、新たに移動制約者をはじめ誰でも利用が可能な多機能トイレを設置するとした。

 これらの3項目以外にも、関係各社の実績も講評。両駅の古くなった設備やエレベーター、エスカレーター、トイレの更新を実施中で、災害など緊急時にも活用できるデジタルサイネージの設置位置を検討中だとした。

 また、環境にも配慮した利用客が快適に両駅を利用できる明るい照明の設置や、床や壁、天井、ホームの鋼管柱をリニューアルまたは清掃することを検討している。

 このほか、4カ国語表記であるなど使いやすい看板の作成やスムーズに携帯端末を利用できる情報環境の整備、下車駅とターミナルの関係を分かりやすくする駅名表記への変更をいずれも実施済みで、26年度から県や成田市の補助を受けて進めていた鉄道施設の耐震補強工事は29年度に完了予定となっている。

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