ほ場整備へ新規調査 東松島の上下堤・川下地区(県東部振興)

[2018/2/15 宮城版]
 県東部地方振興事務所は、東松島市の上下堤・川下(じょうげつつみ・かわくだり)地区で、ほ場整備事業を進めるため、新年度から3カ年かけて計画調査を進める。3カ年の計画調査費は6600万円を見込む。受益面積は国道45号沿いの約130haを想定しており、ほ場整備で農地を大区画化し、利用集積を図る。工事は33年度の新規事業化を目指す。

 同地区は、三陸自動車道の鳴瀬奥松島インターチェンジより500~600mほど松島町寄りで、国道45号の南側に位置している。既存の水田は30a未満の小区画で、道路が幅員2m程度と狭く、軽自動車1台がどうにか通れるほどとなっている。用排水路も土水路のため、効率的な営農を進める上で障害となっている。

 地域の農業者間では、ほ場整備の必要性について広く理解が進み、100%の調査同意が得られたため、県に事業等調査と計画委託申込書を提出。県は新年度から計画調査を進めることにした。

 同事務所によると、国道45号のすぐ北側には鳴瀬川や吉田川が流れており、既存の水田が沢地にあるため、あまり切り盛りすると砂利が出てきてしまう。そのあたりの土地の状況を踏まえた上で、地元の意向を確認しながら、大区画化を進める考えだ。

 ほ場整備に伴い、農道は全幅5mに拡幅するほか、排水路は排水フリュームに整備し直す。揚水機場は既存の2カ所が稼働しており、調査結果を踏まえて建て替え、または部分的な更新のどちらかを選択し、継続利用できるようにする。

 同事務所はこのほか、東松島市内のほ場整備として、新年度に西小松地区と深谷地区で計画調査を継続する。西小松は31年度の事業化、深谷は31年度までかけて計画調査を進め、32年度の事業化を目指している。

 計画では両地区とも水田の面積を1区画当たり1haに拡大するとともに、農道の幅員を5mに拡幅し、うち4mを砂利敷きで仕上げる。用排水の土水路は用水路をパイプライン、排水路を排水フリュームで整備し直す。地区内に暗渠排水も設ける。

 西小松は、旧矢本エリアに位置し、南側に航空自衛隊松島基地、北側に三陸自動車道が設けられている。受益面積は140ha。ほ場整備に向けては、28年度に基本設計業務、29年度に基本設計補足資料作成業務を大江設計(仙台市青葉区)に委託した。

 深谷は、同市赤井の北側一帯で、石巻市にまでまたがっている。受益面積は410ha。ほ場整備の基本設計業務は、28年度と29年度にそれぞれ、サトー技建(仙台市若林区)に委託した。ほ場整備と併せて、地区内にある上区排水機場は、処理能力の増量に向けた対策を施す。排水解析業務は三祐コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。

 東松島市は30年度予算案に、土地改良事業調査計画事業負担金として、上下堤・川下に1575万円、西小松に273万円、深谷に326万円を計上している。

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