渋井川に水門設置 エイト日本で概略設計 秋まで形式占める(宮城県北部土木)

[2018/3/8 宮城版]
 宮城県北部土木事務所は関東・東北豪雨で甚大な洪水被害をもたらした渋井川(大崎市)に、水門を新設する方針だ。多田川との合流地点に設置することとし、概略設計などの検討に入る。エイト日本技術開発(東北支社・仙台市若林区)に業務を委託し、9月末までに水門の形式などを決める考え。30年度の後半に予備設計を委託し、設計業務の精度を上げていく。

 27年9月に起きた関東・東北豪雨では、台風18号などの影響によって宮城県内各地で堤防決壊などが相次いだ。中でも大崎市古川西荒井地区を流れる渋井川では、総雨量200mmに近い豪雨の影響で水位が増し、9月11日に3カ所で堤防が破堤した。沿川の住宅100戸が床上浸水するなど、浸水被害は周辺の213haに及んだ。

 渋井川は鳴瀬川水系の支流で、多田川に合流している。流域面積は18.5平方km。関東・東北豪雨では、合流する多田川が背水したとみられ、その影響で滞留した渋井川の流れが被害を拡大させた。宮城県は決壊した堤防の復旧にあたり、決壊しなかった場所も含めて左右岸計1657mをより強固な堤防に改修した。

 洪水被害は、多田川の合流地点で流れが悪くなったことが要因になった。これを踏まえ県は、多田川との合流地点に水門を設置し、多田川から逆流してくる水を遮断することにした。

 水門設置に向けて、北部土木事務所は2月8日に「渋井川水門概略設計業務委託その2」の一般競争入札を開札した。エイト日本技術開発が1238万円で落札した。予定価格は1820万7000円で、落札率は68%だった。

 同社には水門の形式を検討してもらった上で、設計や現地測量などをまとめてもらう。また、排水ポンプの設置の必要性なども検討してもらう。当初は30haを対象にした現地測量と、600mを対象にした路線測量を委託する方針だったが、測量範囲を限定し、同社には現地測量16ha、路線測量400mを委託する。

 履行期間は9月28日まで延長される見込み。同事務所はそれまでに概略設計を固め、30年度はさらに予備設計を委託して設計の精度を高めていく考え。場合によっては地質調査を追加で委託する。工事の発注時期は今のところ未定。

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