築堤8カ所を30年度発注 防潮堤新設 全漁港で着工目指す(気仙沼市)

[2018/3/14 宮城版]
 気仙沼市は30年度、漁港海岸8カ所の防潮堤工事を発注する意向だ。全て新設区間となる。市管理漁港の海岸防潮堤は、月内に土台磯漁港の災害復旧工事を発注すると、この8カ所で本体工の発注が最後となる。土台磯漁港の防潮堤工事は、15日に一般競争入札を公告する見通し。これまでに発注した分も含めて、33年3月までに全ての防潮堤工事を終わらせることが目標。

 土台磯漁港は、延長80m区間の防潮堤を海抜4.5mの高さに原形復旧する。30年度に工事発注する8カ所は▽滝浜(唐桑)▽神止浜▽杉の下▽横沼▽大谷▽前浜▽二十一浜▽蔵内──漁港海岸の防潮堤。横沼の工事は、2月1日に一般競争入札を公告したが、参加表明者が途中で辞退し中止となっていた。

 漁港ごとの整備延長と高さは、これまでの計画を見ると、滝浜が80mで海抜11.3m、神止浜が250mで海抜11.2m、杉の下が160mで海抜9.8m、横沼が167mで海抜7m、大谷が150mで海抜9.8m、二十一浜が200mで海抜14.7m、蔵内が470mで海抜9.8m。

 ただし、前浜や蔵内は設計の見直しを予定しており、横沼を除くそれ以外の漁港も設計中であるため、今後に防潮堤の延長やタイプが変わる可能性がある。

 前浜は当初、防潮堤の背後地を盛る予定だったが、地権者の意向もあって盛れなくなった。盛れなければ防潮堤が必要ないという意見もあり、地元からの回答を待っている段階。市への回答は月内に出される予定。

蔵内漁港の背後地。左側の国道45号と一体的な防潮堤整備を検討する

蔵内漁港の背後地。左側の国道45号と一体的な防潮堤整備を検討する

 蔵内は、地元住民が道路から海の見える景観を望んでいるため、防潮堤とその背後の国道45号の一体的整備を検討する。一体化に向けた修正設計業務は5日に一般競争入札を開札し、三協技術(仙台市青葉区)が1766万円で落札した。

 横沼は、前回の入札公告を見ると、本体工、土工、基礎工、延長117mの道路工、階段工、排水工、仮設工の一括施工で、参加資格が県内に本店か支店を置く土木一式工事Aランクの特定建設業者としていた。工期は32年3月31日まで。工事内容などを見直し、再公告する考え。

 市は30年度予算の一般会計に、防潮堤の新設事業費として、当初で33億1044万円を計上するとともに、1号補正で限度額91億0995万円の債務負担(30~32年度)を設定した。これらの予算は、すでに発注した分も含めて、30年度以降に施工する防潮堤の工事費などに充てる。

 なお、2月10日には防潮堤工事9件の一般競争入札を開札し、五洋建設、久本組、熊剛組、坂口組、小野良組、アスリード、諏訪工務店が落札者に決定。すでに工事請負契約の議会承認を得た。

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