施設更新の計画策定へ 旧迫川地区 6月までにプロポ公告(北上土地改良)

[2018/3/27 宮城版]
 農林水産省北上土地改良調査管理事務所は、旧迫川地区の国営施設応急対策事業で、30年度に事業計画資料作成その他業務を簡易公募型プロポーザルで委託する。旧迫川地区では箟岳(ののだけ)揚水機場の改築などを計画しており、同業務で事業計画を作成するほか、全施設の長寿命化計画をとりまとめる。国会で30年度予算が成立すれば、6月までにプロポの手続きを公告する見通し。業務の履行期間は約9カ月。

 国営施設応急対策事業では、箟岳揚水機場の改築と、箟岳幹線用水路の更新を進める計画。30年度に事業計画を作成し、31年度に土地改良法の手続きを進め、32年度の着工を予定する。

 箟岳揚水機場は、昭和41~53年の国営かんがい排水事業で造られた。揚排水の機能が備わっており、揚水能力が毎秒3.1t、排水能力が同4.4t。老朽化が進んでいる。

 過去には2号主ポンプが故障したため、27年度に三祐コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)に原因究明調査を委託。経年劣化による油漏れが原因と分かったため、応急的に部品を交換して運転を再開した。2号主ポンプは立軸斜流タイプで、口径が1000mm。

 改築に向けた基本設計業務は、昨年に日本工営(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。現在のポンプ設備などを稼働させながら、近隣に新しい揚水機場を建てることを想定している。

 箟岳幹線用水路は、全体延長が約2.8km。このうち500m区間が沈下したため、昨年に原因究明調査と対策工法の検討を一括してNTCコンサルタンツ(東北支社・仙台市泉区)に委託した。この500m区間は、コンクリートの3面張りで、幅が2m30cm、高さが1m50cmの規模。

 30年度は、箟岳幹線用水路の全線を対象に、基本設計その他業務を簡易公募型プロポーザルで委託する。同業務は測量が含まれ、履行期間が約9カ月。プロポの実施時期は6月ごろを見込む。

 旧迫川地区は、登米市と涌谷町にまたがる水田地帯。昭和41~53年に国営かんがい排水事業が行われ、箟岳を含め揚水機場6カ所や、幹線用水路7路線、幹線排水路6路線などが整備された。30年度に、これらの長寿命化計画も策定する。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.