園域拡張へ実施設計 小塚山公園 整備工事を2カ年で(市川市)

[2018/5/11 千葉版]
 市川市公園緑地課は、北国分3丁目地先にある小塚山公園の拡張に向け、22日に開札を予定する一般競争入札で、実施設計業務を委託する。「どうめき谷津」と呼ばれる地区を整備することで、隣接する堀之内貝塚公園との連携強化を図り、特色ある地区公園とするのが狙いで、履行期間は31年1月末までを設定。整備工事は31、32年度の2カ年で予定しており、既設の小塚山公園と、来月2日の開通が予定されている東京外かく環状道路を挟んだ位置に、約1・9haの新たな公園を整備する。

 入札の参加資格は、国や地方公共団体が発注する、同業務と同種の都市公園法に規定する都市公園の実施設計(設計対象1ha以上)を元請で1件以上受託、業務が完了した実績があることなどとした。

 今回の業務で設計対象とするのは、▽造成▽園路施設▽休憩施設▽遊具施設▽親水施設▽給排水施設▽管理施設▽電気施設▽便益施設▽駐車場▽駐輪場▽植栽(高木、中木、低木等)││などで、これらのほかマンホール形式のポンプ場の実施設計一式を加える。一方、外環道側にあり高低差が7mあるという既設公園をつなぐエコブリッジは、国土交通省で建設することから対象としないとした。

 28年度にあい造園設計事務所(東京都杉並区)がまとめた基本設計では、公園内部に谷津田の畦畔沿い用水路をイメージした流れ込みや池、子どもの遊び場となる斜面芝広場、地域イベントに対応できる多目的広場、雨水調整機能を持つ緩斜面の広場、8台分の駐車場と駐輪場、谷津田の上部をイメージした野草園・花壇・参加型菜園、湿性花園などの整備を計画する。

 実施設計に当たって市は、自然環境や歴史文化といった設計区域の特性を踏まえた設計を検討することや、コスト・維持管理を含む主要施設の内容・規模の検討、外かく環状道路工事など関連事業への配慮、既設水路に配慮した造成設計などに加え、北側に隣接するいなりざく公園内にある北総鉄道が管理をしている栗山トンネル排水ポンプから排水される湧水を流れに活用することから、その排水ポンプから公園までの管路施設の設計と、それを受けるために公園内に設置するマンホール形式ポンプ場の設計を行うことに留意するよう求めている。

 同公園の拡張は、水と緑のネットワークの中心となる緑の拠点づくりの一環として、自然豊かな同公園と、縄文遺跡の堀之内貝塚公園の連携を図るとともに、都市部での自然の減少と市民の緑に対する関心の高まりに対応、環境活動やレクリエーションなどが可能な同市の原風景を持つ特色ある公園づくりが目的。

 整備に向けては平成13~14年度に、近隣自治会から参加者を募ったワークショップ「どうめき谷津の公園づくりを考える会」で、公園拡充予定地の整備などについて検討。15年度には公園面積の拡大や公園の種別を近隣公園から地区公園に変更するなど地区計画を変更した。

 28年度には具体的に、近隣自治会から参加者を募ったワークショップ「小塚山公園拡充予定地の整備を考える会」で、4回にわたり公園拡充予定地の基本設計について検討した。29年度は測量業務を空間情報サービス(千葉市中央区)、地質調査を川崎地質(千葉事務所・千葉市中央区)に委託。用地の取得率は29年度末で88%となっている。

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