病院事業のあり方検討 支援業務はプロポで(千葉市)

[2018/6/13 千葉版]

老朽化が指摘される市立海浜病院

老朽化が指摘される市立海浜病院

 千葉市病院局経営企画課は12日、今後の公立病院としてのあり方について検討するため、病院事業のあり方検討に向けた支援業務を委託するため、プロポーザル(企画提案)の募集要項などを公表した。参加者資格確認申請と質問書はともに22日まで、提案書は7月12日までそれぞれ受け付ける。プレゼンテーションは同月下旬に予定しており、8月上旬の審査結果通知を予定している。

 委託料の上限に市は3,000万円(税込み)を設定。履行期間は31年3月31日までとし、参加資格として市の入札参加者名簿に登載があり、20年度以降に250床以上の病院のあり方の検討などといった基礎調査や基本構想、基本計画などを策定した実績なども求めている。

 業務では▽千葉保健医療圏等の調査・分析▽市立病院の現状と課題の整理▽市立病院に求められる機能の検討支援▽海浜病院の老朽化を踏まえた医療提供体制の検討支援▽その他必要な支援──を進めるとしており、このうち海浜病院(美浜区磯辺3-31-1)については、昭和59年の開設後30年以上が経過し、建物や設備の老朽化が進んでいるという。

 このため市は、市の医療提供体制を確保していくための方策などについて、30年度から本格的に検討を始めることとし、市の将来的な医療需要に加え、もう一つの市立病院である青葉病院(中央区青葉町1273-2)とともに、両病院が抱える課題などを踏まえて、今後の公立病院としてのあり方を検討していくこととした。

 高度経済成長期に開発・整備された海浜ニュータウンに設置され、一般病床293床を持つ市立海浜病院の敷地面積は2万8,186平方m。病棟(RC造7階建て塔屋1階建て)や診療棟(RC造3階建て)などからなるメーンの建物の規模は1万8,568平方mとなっている。

 一方で建物性能については病棟の残耐用年数がわずかとなっており、老朽化が進む。28年度に策定された地域医療構想によると、同市圏域では総人口が減少に向かうものの、75歳以上の高齢者人口の増加に伴い37年度には入院患者数が25年度の約1・3倍になると見込まれるなどしている。

 同市内には千葉大学医学部附属病院など大規模な病院も存在しているほか、公立病院や民間病院を含めて中規模な病院が複数存在、医療機能が重複している地域がある一方、総合的な診療科を備えた病院が少ない地域も存在。このような状況下で、市立病院が果たす役割を検討するため、今後の市内医療機関の病床機能の調整状況を見極めるとともに、市内における将来の医療需要の調査や分析が必要だとした。

 海浜病院の立地について、用途地域は第二種中高層住居専用地域であるものの、敷地は県から無償で借り受けているため、公共として現用途以外での活用ポテンシャルが低い上外部転用もできず、現在の用地で病院事業を行わなくなった場合は、敷地を県に返還することが想定されているという。

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