基本計画検討プロポ 31年度に事業再評価 筒砂子ダム建設(鳴瀬川事務所)

[2018/7/12 宮城版]
 国土交通省鳴瀬川総合開発工事事務所は7月11日、筒砂子(つつさご)ダムの建設に向けて「基本計画検討業務」と「猛禽類調査検討業務」の簡易公募型プロポーザルを公告した。2件とも単体企業か設計JVを対象に、7月19日まで参加表明書を受け付ける。このうち基本計画検討業務では、31年度に公共事業の再評価の審査を受ける鳴瀬川総合開発事業について、審議資料のもととなる費用対効果分析などを委託する。

 公告された基本計画検討業務と猛禽類調査検討業務のプロポーザルの日程は、19日まで参加表明書を受け付けた後、8月17日までに技術提案書を提出してもらう。同事務所は8月下旬ごろに選考委員会を開き、受託候補者を特定する。候補者とは9月中に契約を結ぶ予定だ。

 プロポーザルの参加対象は、東北地方整備局の「土木関係建設コンサルタント業務」の入札参加資格を受けている単体企業か、同条件の企業同士で結成する設計JV。このうち、基本計画検討業務の参加希望者には条件として、国や地方公共団体などが発注したダム事業の事業評価(再評価含む)で、仮想的市場評価法(CVM)を実施した20年度以降の実績などを求める。

 同事務所は技術提案を求める評価テーマとして▽事業評価(再評価含む)を実施する上での留意点▽CVM調査および利水便益の試算を行う上での留意点──を挙げている。

 宮城県大崎圏域の治水・利水に関し、加美郡加美町内にダムを整備する鳴瀬川総合開発事業は、平成4年の実施計画調査の着手から24年を経た28年8月に、新規事業採択を受けて建設事業に移行することになった。事業採択から31年度で3年が経過するため、改めて公共事業の再評価を受ける。

 本業務では事業全体の費用対効果を分析し、全体事業費の変更点や費用便益効果の変更点、社会情勢の変化を踏まえた事業の必要性などを検討し、再評価を受審するための資料作成などを委託する。履行期間は31年2月28日まで。

 鳴瀬川総合開発事業では、加美町漆沢地区を流れる筒砂子川に、総貯水量4570万立方mの筒砂子ダムを建設する。形式は台形CSGで、ダムの堤体高は105mを予定。これに伴い、筒砂子ダム建設予定地から南西側にある既存の漆沢ダムは、容量を再編して治水専用とし、トンネル洪水吐などを建設する。

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