90カ所に46億を投入 121号川治バイパスで設計 自由が丘沢堰堤に着手(日光土木30年度事業概要)

[2018/7/26 栃木版]
 県日光土木事務所は30年度事業概要と実施予定箇所をまとめ、国庫・交付金と県単を含め90カ所に約46億円を投入する。内訳は、道路・街路事業が74カ所約33億円、河川砂防事業は13カ所で約6億円、除雪など公共土木施設管理と受託の杉並木保護の木柵工3カ所で約7億円となった。新規は120号清滝の渋滞対策で3車線を確保するため測量設計を進め一部工事に着手していくほか、122号神子内は法面の落石防止に伴い国庫で測量設計、県単ではS字カーブの改良に向け測量に着手。自由が丘沢の砂防事業では、堰堤1基と渓流保全工110mの施工に向け地質調査や設計を行う。道路の基礎調査では、121号川治バイパス約8kmが直轄権限代行に向けた予備設計、文挾バイパスは約6.5kmの法線検討に乗り出す。

 同事務所は管内に急峻な山岳部を抱え、災害時の被害を最小限に抑える▽防災減災対策の推進▽予防保全による公共土木施設の長寿命化▽通学路の歩道整備-など安心・成長・魅力の3項目を柱に展開。防災減災対策は121号五十里で法面の安定化を図る災害防除工事、長寿命化では橋梁やトンネルなどの補修が主体。栗山日光線六方沢橋は耐震化を含めた補修を継続、川俣温泉川治線は葛老トンネルを始め、川治ダム等直轄ダム建設で整備したトンネル10本の補修などを実施する。新規では121号立岩橋(L125m)で塗装工を実施する。

 山久保平ヶ崎線が一級河川行川を渡河する白崖橋は老朽化しており、通行車両の安全を確保するため拡幅整備に合わせ架け替えを決めた。今年度に橋梁詳細設計をまとめ、用地調査・補償に着手する。新橋25mを含む狭あい区間400mについて車両の交互通行を考慮し、車道のみ7.5mに拡幅改良する計画。

 通学路の歩道整備のうち矢野口は、今市氏家線の狭あい区間1160mを対象に、片側2.5mを確保し全幅10.0mに拡幅。大室小学校の通学児童らの安全を確保することが目的で、区間内の跨道橋の新渡橋は側道橋を設置。橋長が20.8m、上部形式にプレテンション方式PC中空床版桁に決めた。下部工は杭基礎逆T式橋台2基とし、用地補償を進め31年度の着工を目指す。新規の塩野室工区は用地調査や補償に着手する。

 河川砂防事業では、継続の田川が同地の圃場整備事業田川沿岸地区と整合を図り、下野大沢停車場線田川橋から上流6000m区間の改修を進めており、今年度は土沢地内で市道橋の上耕地橋の設計を進めるほか、上中用水堰の改築を予定した。

 急傾斜地の広久保沢II-Aは、人家10戸や診療所を保全するため、待受け擁壁と防護柵工150mを計画した。用地測量を進め、31年度の着工を目指す。

 日光地区の道路事業のうち、119号の電線共同溝と歩道の美装化による整備は、御幸町333mに続き、西側に隣接する下鉢石工区250mの調査に着手する。御幸町と整合を図ったCCBOXでの施工を計画。

 今市地区の道路事業のうち、119号水無バイパス2900mは、西側の700mを第1期工区とし9月までに4件の改良工事の発注を予定。日光宇都宮道路大沢ICにアクセスする119号大沢交差点は、右折レーンの延伸と線形改良に向け用地補償を継続する。

 栗山地区の道路事業は、川俣温泉川治線や黒部西川線の進ちょくを図る。若間地区の川俣温泉川治線バイパス2500mは法線を固め、3号橋はボックス工、2号橋は10.1mのプレテンション方式PC単純床版桁を軸に詳細設計を進めている。2号橋はトンネル坑口西側に近接し下部工については一体的な施工が見込まれる。トンネル長はC等級931mとし、今年度は設備設計を委託する。

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