A2橋台を年明け公告 新東内海橋の初弾工事(石巻市)

[2018/8/11 宮城版]
 石巻市は中瀬地区に架ける新東内海橋(仮称)の下部工工事について、入札公告時期が第2四半期から、年明けにずれ込む見通しになったことを明らかにした。工事費が当初の想定よりも上回ることが判明したためで、新たに予算を確保した上で発注する。下部工工事は同橋の初弾工事で、まずはA2橋台1基の据え付けを行う。

 A2橋台の据え付け工事は、年度当初の段階では7月に入札公告し、8月に工事請負契約を締結、非出水期の10月1日に着工予定だった。30年度予算には工事費に1億0600万円、工事監督等支援業務委託費に1600万円を計上した。

 ところが詳細設計を進めた結果、工事費が当初の予算計上分を上回ることが判明。追加費用を確保する必要があるため、発注時期は遅らせざるを得なくなった。財源は国の社会資本整備総合交付金を活用する。早めに追加予算が確保できれば、年明け前に工事発注する可能性もある。

 新東内海橋は、橋長115m、幅員4mの2径間連続鋼製箱桁橋で、人道橋となる。下部は逆T式橋台2基と壁式橋脚1基で構成する。旧北上川に架け、川の中洲に位置する中瀬地区と、対岸の湊地区を結び、徒歩で移動できるようにする。

 新橋の予備・詳細設計は長大(仙台支社・仙台市若林区)がまとめた。架設事業の総事業費は12億8000万円を試算しているが、増額になる可能性が高い。現時点では33年度の完成が目標となっているが、34年度以降にずれ込むことも予想される。

 新橋のA2橋台とP1橋脚は、既存の内海橋を撤去しないと据え付けできないため、県が行う撤去工事を待って下部工工事に着手する。県は現在、既存の内海橋よりも上流側で新内海橋の架設工事を進めており、32年度の完成を予定している。このため、A2橋台とP1橋脚の工事発注時期は、32年度の後半になる見通し。

 新東内海橋の架設は、震災津波で被災した既存の内海橋を撤去すると、中瀬地区への移動手段がなくなるために計画された。中瀬地区と西側の中央地区を結ぶ新西内海橋(仮称)も架設する計画で、こちらは県が工事を担当している。

 旧北上川では、国土交通省北上川下流河川事務所が津波被害を踏まえて新たな堤防を整備している。新東内海橋の下部工の位置は堤防(護岸)と重なるため、市と同事務所が協議して工事の進め方などを決める。

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