水道施設に工事費10億円 浄水場や中継ポンプ整備(南三陸町9月補正案)

[2018/8/31 宮城版]
 本吉郡南三陸町の9月補正予算案が明らかになった。水道事業会計では、資本的支出の建設改良費に9億9800万円を計上した。これは全て水道施設の災害復旧工事費で、志津川地区に設ける小森浄水場と東浜中継ポンプ場の整備費や、延長1.7kmの送水管の敷設費に充てる。

 小森浄水場は、三陸沿岸道路の志津川インターチェンジの近くに整備する。敷地は面積が1376平方mで、更地となっている。RC造2階建ての施設を建て、1階に機械室や滅菌室、2階に電気室や発電機室などを配置する。

 小森浄水場の処理能力は日量1200t。水源となる井戸から水を汲み上げ、砂などを取り除いて紫外線照射装置と塩素滅菌で浄化し、送水する。紫外線処理のため、通常の浄水場に見られるようなろ過池や沈澱池などは設けない。井戸の掘削は阿部藤建設(南三陸町)が施工した。

 東浜中継ポンプ場は、志津川天王山地区の町有地に整備する。地下に受水槽を設置し、その上に建屋を設けてポンプ2台を備え付ける。既存の戸倉浄水場から送られてくる水を受水槽に一度溜めた後、中継ポンプを使って東浜配水池に送る。

 延長1.7kmの送水管は、管種が高気密ポリエチレン管で、戸倉浄水場から上の山配水池へと水を送るために敷設する。主に町道の下に管路を敷設することになる。

 同町は大震災の被害を受けた後、町内の給水計画を見直した上で、戸倉浄水場などを整備した。浄水場は歌津伊里前地区にも整備する計画で、すでに井戸の掘削を行った。現在は整備のあり方を検討している。

入谷公民館に設計費

 同町の一般会計9月補正予算案は、7億2780万9000円を追加し、総額を338億4610万5000円とする。新規では、入谷公民館の建設工事設計業務委託費に2000万円を計上した。

 既存の入谷公民館は、入谷字水口沢12-1に位置している。建物はRC造2階建て延べ476平方mの規模で、1階に事務室、図書室、和室、印刷室、調理室、トイレ、2階に大研修室や小会議室などが設けられている。築38年が経過しており、地元住民からは移転新築が要望されている。

 9月補正ではこのほか、公共施設維持管理基金に1億5600万円を積み立てるとともに、神割崎キャンプ場の整備工事費に756万円、町道修繕工事費に500万円、被災地域交流拠点施設整備事業の補助金に2000万円を充てるなどした。

 予算案は来月4日開会の町議会9月定例会に提出する。

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