橋梁は予備設計245m 大田原土木の西那須野那須線 那須塩原の用地推進 那珂川両岸の調整池 右岸容量509立方m、左岸は1556立方m

[2018/9/4 栃木版]
 県は那須塩原市と那須町を結ぶ主要地方道西那須野那須線黒磯那須バイパス2070mの整備で、一級河川那珂川を渡河する新橋は予備設計で約245m。両岸の堤内地に1カ所ずつ計画している調整池は、詳細設計により右岸側面積が750平方mで容量509立方m。左岸側は面積2569平方mで容量1556立方mを計画。橋梁架設に伴う左岸の那須町側護岸工は無堤1204mを施工する。県大田原土木事務所によると、今年度は那須塩原市側の用地補償を推進するとともに着工を見据え、橋梁詳細設計の委託時期を検討していく見通しを示した。橋梁予備設計は大日本コンサルタント(東京都豊島区)、調整池の詳細設計は富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)、取付護岸の設計は日研測量(那須塩原市)が担当している。

 同バイパスについては27年度、県都市計画審議会で渡河位置など法線や幅員構成について変更した。護岸工の設計は河川区域を決め、河川断面を確保する目的から実施。同バイパスが一級河川那珂川を渡河する箇所は、那須塩原市側が高台、那須町側は氾濫原の低地となっており、護岸が整備されていない箇所があるなど、堤防の余裕高が全般に不足しているためで、設計は29年度に橋梁架設による影響範囲を調査し、河川区域を固めるため延べ約1300mにわたり調査したもの。

 同バイパスは、南が那須塩原市の都市計画道路3・4・1号本郷通り、北は那須町の主要地方道那須高原線を結ぶ全体延長が2070m。幅員は片側歩道区間を12.0m、標準部の両側歩道区間が14.5mとし、交差点部は付加車線の設置により17.5mとした。

 具体的には、那須塩原市側から本郷通りとの交差点部付近が両側歩道の14.5m。中央の切り土・橋梁・盛り土が続く区間が片側歩道の12.0m。那須町側の終点部では、那須高原線の交差点が連続。観光客ら歩行者の多い両側歩道区間を14.5m、連続する交差点部を17.5mで計画した。

 幅員構成の変更に当たり、自転車専用レーンを確保。車道の両側の路肩部分に1.5mを配置し、両側あるいは片側の歩道幅員を2.5mとしている。車道は片側3.25mを確保した交互通行の2車線とした。

 法線は従来のルートが一級河川那珂川を渡河する箇所で急峻な断崖となっていたことから、道路の安定勾配を保ち直線的なルートになるよう橋梁部の位置等を県都市計画審議会に諮問し変更したもの。道路構造は那須塩原市側の断崖が切り土・市町境が橋梁部・那須町側の氾濫原は盛り土で施工する計画。渡河位置は無堤区間もあり、橋梁架設に伴い築堤や護岸工を計画している。

 黒磯那須バイパスの事業化に当たっては21年6月、県と那須塩原市、那須町の建設関連部局で構成する検討会議を設置し、検討を進めてきた。同会議では県の健全化プログラムが終了する26年度以降の事業着手を視野に、ルートや交付金を想定した整備手法などに検討を加えるとともに、交通量調査や周辺道路のネットワークと交通流の変化などを試算してきた。

 同地では県が晩翠橋の老朽化対策に加え、市は国道4号と西那須野那須線を結ぶ本郷通りの整備を進め、24年度に供用。県は交通ネットワークの向上を目的に同年度、北進区間となる同バイパスについて事業化を前提とした調査着手時評価に認定した。

 建設費の縮減などを背景に、一級河川那珂川の渡河位置を見直し、26年度に道路詳細設計、27年度には那珂川を渡河する橋梁予備設計を委託。28年度から交付金を充当して用地調査に着手しており、29年度は護岸工の詳細設計を行うとともに、用地補償に着手した。事業費には28億円を試算し、長大橋の建設を含む工事費にはこのうち24億円を投入する計画。

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