対策支援業務を委託へ 県立佐原病院の耐震化で(県)

[2018/9/7 千葉版]
 耐震改修工事が計画されている県立佐原病院(香取市佐原イ2285)の本館について県は、対策支援業務を委託するため、一般競争入札を公告中だ。27日に開札する。工事期間中の病院機能の維持などを図るため、その運用に伴う各種調整や支援を行い、工事中の病院運営の円滑化に必要となる事項を検討・支援するのが目的。

 入札の参加要件は、県の物品等入札参加者名簿に委託Aで登載があり、過去10年以内に病床数200以上の病院の施設整備に伴うコンサルティング業務を受託、履行した実績があることなどとした。委託期間は31年3月25日までとする。

 同業務では▽移転方針策定支援▽耐震改修工事以外で関係する各種経費(移転費用等)の予算作成支援▽耐震改修工事に伴う行政機関等への手続き及び提出書類の整理・収集の支援▽引越業者の選定及び業務仕様書の作成支援▽病院機能の維持等に影響するものと判断される業務への支援──を予定する。

 耐震改修に向けた実施設計については、千都建築設計事務所(千葉市美浜区)が担当。31年8月の着工、33年3月の完了を目指す。建築部分の工事費には8億9,700万円を概算している。

 耐震改修事業については、29年度に病院システム(東京都豊島区)が基本計画を策定。本館について必要な耐震補強工事とともに、老朽化に対する設備配管などの改修も併せて実施する。

 工事に当たっては一方で、診療機能の移転または停止はせず、施設内部への影響を極力最小限にする工法とするものの、工期中は病棟について一部休床が生じるともした。

 想定される工事内容は、建築工事は補強壁の設置など耐震補強工事のほか、工事エリアの内装更新と、鉄骨庇の交換を予定。空調設備は冷温水管とファンコイルの更新、ドレン排水管の天井内配管盛替など、衛生設備では給水・給湯管の更新やトイレなど衛生器具と排水管の更新。換気設備はパイプファンの一部新設やトイレ換気扇の更新、消防設備もスプリンクラーを一部改修する。電気設備工事も耐震補強工事に伴う解体・復旧工事と、高圧コンデンサー盤の一部更新などを進める。

 県立佐原病院の、昭和49年に完成した現在の本館は、RC造5階建て延べ5,056平方mの構造・規模。同棟のみ旧耐震基準で建設されており、最小Is値が0・43と、耐震性能の不足が指摘されるとともに、施設の老朽化も指摘されている。

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